黒歴史 | ナノ

「名前ー朝だよー!早く起きないと初日で遅刻しちゃうよ!」
「ファッ!?」

 学生時代とは違い、お勤めしだすと"遅刻"の二文字は恐怖そのもの。飛び起きようとした。が、のし掛かる重みで身体の自由が効かない。…………は?
 目が覚めたら、私の上にフタ子が乗っかってる。どこかで見た光景。…………あれ?

 今朝と同じ風景じゃありませんか……?

「おはよー名前!朝ごはんもう出来てるよっ」
「う、ん…………??」
「寝ぼけてるの?まさかまだ時差ボケしてるー?」
「???」

 とりあえず、促されるまま洗面所に向かって、考える。……私、いつ寝たっけ。幸村にフタ子が問い詰められて、フタ子が私のところに逃げてきて、それから?今に至る。ホントに、一瞬の出来事だったように思う。

 理解出来ない。

「ママとパパはもう出掛けちゃったよ。名前の転入初日を見送れなくて残念がってた」
「そ、そう……」
「だからね、私が付いてるから大丈夫って言ったら、今まで一緒にいれなかった分、フタ子は名前にべったりなのねって」

 あれ?朝、同じ会話をしたよね。…しかも転入初日って。どういうことだろう。時間が巻き戻っているとでもいうのか。


「食べたら早く制服に着替えて!本当に遅刻しちゃうよー」
「…うん、わかった」

 またまた状況把握が困難な状況。トリップ自体まったく意味がわからなかったけど、時間が巻き戻るってどういうことよ。
 とはいえ、うんざりしているだけで今はそれほど驚いてはいない。歳か。いや、前日(仮)が忙しなさすぎたのだろう。

 そしてまた制服との対面。


「立海の制服を名前と並んで着れるなんて嬉しいなーっ」
「……………そんなに?」


 二度目の着衣式。
 …どういうこと?

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