あの子は自由人 | ナノ

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 てっぺんにあった日も傾き、ずいぶんと長い時間集中していたなあ、なんてぼんやり思う。
 主に赤也のための勉強会だったが、自分自身も柳や真田に苦手な教科を質問できた。その上、赤也以外は表立って努力をしないのに頭の良い奴ばかりで、そういう奴らがガリガリ課題に向かっている姿を見られるってのもなかなかないから、新鮮で良い。またこんな機会があればいいんだが。

「どうだ、進行具合は」
「俺は、課題は一通り終わった感じ」
「暗記科目の範囲が広いのが困りものですね」
「赤也は…聞くまでもなさそうだな」

 三年の先輩方の会話を聞き、赤也はひとりオロオロとうろたえる。ああ、どうせ赤也は相変わらずなんだろ。苗字から課せられた明日までが期限の英語の特別課題。それしか手を付けていないはず。こいつ、英語は致命的だが、その他の教科も欠点取れるレベルだ。
 俺達は揃って目線を苗字へと移した。

「しゃーないな」

 今回の赤也教育係は苗字である。彼女は何もわかっていない赤也の手元にある二年の中間考査の範囲表をひったくって、一通り目を通した後、事も無げに宣告をした。

「明日から1教科ずつ課題渡すから、1日で終わらすように」

 事態を把握した赤也は涙目だ。この課題すら明日までに終わるかどうかわからないのに。しかもテスト前とはいえ、大会も控えていて部活が…。

「欠点取らなければ良いってものでもないの。OK?」


 スパルタ教育の鬼はこちらです。



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桑原の意味。実はアミダでは神の子だったんですが、この時期は入院中だったために再度やり直し。…しかし、桑原の意味。

 

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