あの子は自由人 | ナノ

明日までの宿題

 テスト前で部活の練習もちょっとだけ軽くなるこの時期。前回の休み明けテストで散々な結果だったから、先輩方は要らぬ気を利かせて直々にご指導…いや…そろそろヤバいから本気で先輩方に頼み込んだのだ。
 午前中の練習を終え、顧問にこの時間のため会議室を開けてもらっていた。そこで先輩方にお勉強を教えていただこうというわけで…。

「やっぱりマネージャーもいるんスね」
「言っておくが、この会議室を開放するよう顧問に頼んだのは他でもない彼女だぞ」

 いや、別に、この人が俺たちレギュラーと一緒にいるのは、もうすっかり馴染んでしまっていて。やっぱりな、で終わるんだけどさあ…。

「何で、先輩に教えてもらうことに…」
「何故だろうね」

 頼まれてしまったのだから、とは言うけど、先輩らの適当な頼みを律義に実行するこの人の意味がわからない。
 しかも、柳先輩並みに教え方が上手いって何なんだよ…。

「何で、そんなに教えるの上手いんスか」
「何故だろうね」

 英語を教えてくれるこの人はいつもより丁寧で優しい。それがなんか腹立つ。いつもの、余裕ですけど何か?って態度も腹立つけど、変に優しくされるのも調子狂う。今度のテストがなんとかなる気がしてる自分もすっげー腹立つ。

「これ明日までの宿題」
「あ、明日っスか!?」
「やれば出来る子」

 と思ったけど、全然、やさ、しく、ない!



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拍手にするつもりだったけど面倒になった「あいうえお」第一段。アミダの結果は赤也さん。ちゃんと書きました。

 

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