なぜだかレンジを爆発させてしまった後、即クビで帰らされた。
なんと私は今回だけでなく以前も2回レンジを壊しているのだ。自慢ではないが自他共に認める機械音痴だった。
せっかく彼の声を聞けたというのに、もうお別れなんて。声を聞いたら次は話したくなってしまうのが恋心よ!そんな事を考えながら歩いていると、
「ん?」
前方に人の塊。
なんだなんだとそっと後ろから覗いてみると、それはナンパでもなくアンチスキルが学生を補導しているわけでもなく、そこにいたのはスキルアウトだった。
「げっ」
嫌なものに出くわした。
遠くなるけど回り道をしよう、と体を後ろへ回そうとした時、
「やってやろうじゃねえか!」
と言う声が聞こえた。
あれ、スキルアウト以外に誰かいる?
まさか襲われている状況?
……こんな状況放っておけまい。
「ちょっと!なにやってんの!」
ずかずかと集団に寄っていく。
するとすぐさまその内の一人に腕を引っ張られた。
「おら!この女いても能力使えっかぁ!?」
………あれ。
「あれー!?」
助けようとしたのが一瞬で捕まってしまった。そりゃあ堂々と現れれば捕まるに決まっている。通報しとけばよかった。
「ち、ちょっと君達乱暴はよくないぞ!まずは話し合おう、話せばきっとわかりあえる!ラブアンドピースだよ!だからこの手を離、」
「意味わかんねぇ事をギャアギャアとうるせぇんだよクソ女!」
かっちーん。
「クソ女って誰だコラっ!」
自由のきく足を大きく振り、相手の足を思い切り蹴ると相手はぐらつき、腕を掴む手が一瞬緩むと今だと言わんばかりに腕を振り払い相手から離れる。
と、その時。
襲われていたであろう人が一歩前に出た。
(あれ、この人……)
「ギャアギャアうるせェンだよ三下が」
そう言い放った瞬間、一瞬でスキルアウト達は地面へ叩きつけられた。
だが、そんな異様な光景に目もくれず、アヤノはスキルアウトの先に立つ人物を見る。
「やっぱり、さっきの人だ」
いつも大量の缶コーヒーを買っていく、白い髪と肌に赤い瞳の、
「あなた、アクセラレータだよね?」
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