幸せになれる・・・。

なんて、そんな夢を見ていたのは、私がまだ幼かった頃だけ。

歳を重ねていくにつれて、私が置かれている環境が普通ではないと、知ってしまった。


それでも、もしかしたら・・・。


と、淡い期待を抱いていたのも事実。

けれど、私のそんな期待はあっという間に砕け散ってしまった。



仕方ない。


仕方がないの。



本当は、みっともなく泣き叫び、喚き散らしたい。

でも、いくらそんな事をしてみたところで、現実が変わるなんて事はなくて・・・。



「安心して、


 私、ちゃんと幸せになるから」



そう言って、私は笑う事しか出来ないの。

ちゃんと私、笑ってるでしょ?

笑えてるでしょ?




賛歌

―序章―





だからお願い。

そんな泣きそうな顔、しないでよ・・・。



→next

- 1 -

[*前] | [次#]

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -