青学や山吹、不動峰の手伝いと運悪くあの船に乗っていた2人、そして俺や数人のメンバーで夕飯作り。 本格的に行動するのは明日からなので、殆どのメンバーがこの炊事場付近に集まっていたのだが、微かに叫び声が聞こえてきた。 その声は次第に大きくなり、他の連中も作業の手を止めて辺りを見回し始める。 「止まってぇえぇぇっ!」 その声は明らかに女の声で、この場所にいない女といえば・・・、 「「「名字/名字先輩っ!!」」」 声のする方へと目を凝らせれば、次第にハッキリと人影が見えてきた。 その姿を捉えた瞬間、この場所にいる全員が固まってしまった。 四天宝寺の1年に担がれている名字先輩。 不安定に揺れるのが怖いのか、しっかりとソイツにしがみついている。 そしてソイツは名字先輩の“足だけ”を押さえて走っているせいで、スカートの裾がユラユラと揺れて・・・その、なんというか・・・。 (スカートの中が見えそうじゃねぇーかっっ!) 見てはいけないと思いながらも、俺の視線はそこに釘付け。 名字先輩の太ももとかその辺りをしっかりと目に焼き付けようとしてしまう。 「ちょっと!アナタ何してるのよっ!!」 そんな中、いち早く動いたのは橘の妹だった。 その行動で他の連中も我に返ったのか、妹に続いてソイツの方へと駆け出していく。 「・・・後もう少しだったのになぁ〜、残念」 「・・・惜しかったのぅ」 ボソッと誰かが呟いた言葉に、俺も頷きそうになった。 そう思っていたのは俺だけじゃなかったんだと安堵しながら・・・。 →next by赤也視点 |