私、名字名前――只今休憩中です。 開会式―跡部君の独壇場だった―も終わり、皆談笑中だ。 うちのテニス部、特に幸村君は有名らしくいろんな学校の人達が話しかけている。 邪魔するワケにはいかないし、私は料理とドリンクを持って開場の脇にある椅子に座りながら、一人寂しくそれを食べている。 というか、立ちっぱなしでいるのは体力的にキツイんです。 「・・・こんなとこにおったんか」 「侑士君!・・・と?」 侑士君の隣には、金髪で緑色のジャージを着た男の子がいた。 「あぁ、こいつは・・・」 「この伊達眼鏡の従兄弟で忍足謙也って言います。浪速のスピードスター・・・」 「うっとおしいわっ!約束通り会わせたってんから、もう用はないやろ。はよ戻れ」 「はぁ?!何言うとんねん!自己紹介しかしてへんやんっ!!」 「それでもう充分やろ」 ――パチパチパチ 「「・・・・・・・・」」 繰り出されるマシンガントークに、思わず拍手をしてしまった。 流石、関西人! 2人揃っただけで途端に漫才が出来るなんて!初めて目の前で漫才を見たよ。 「あれ?私、何か間違えた?」 「・・・なんや、この子天然か?」 「せや・・・、ってこんな事しに来たんちゃうし」 2人は溜め息を吐きながら、私の両隣に座った。 「で、どうかしたの?」 「どうかしたの?って・・・心配したに決まっとるやん。立海の奴等のとこに名前ちゃんおらんし・・・」 「ごめん、幸村君達の邪魔しちゃ悪いと思って・・・」 「名前ちゃんを邪魔やと思うわけないやろ。・・・まぁ、そういう事にしとくわ」 侑士君は「無理しなや」と私の頭にポンポンと手を置いた。 ――バレてました。 ◇◆◇ その後、2人に『大阪弁講座』を開いてもらい、部屋に戻るまでの間、大阪弁を教えてもらいました。 「な、なんでやねん!」 「惜しいっ、イントネーションがちょっとちゃうな」 「なんでやねんっ!や、もう一回言うてみ」 「なんでやねんっ!」 「「おぉ〜、ええ感じや」」 →next |