vol.04


私、名字名前――只今休憩中です。

開会式―跡部君の独壇場だった―も終わり、皆談笑中だ。

うちのテニス部、特に幸村君は有名らしくいろんな学校の人達が話しかけている。

邪魔するワケにはいかないし、私は料理とドリンクを持って開場の脇にある椅子に座りながら、一人寂しくそれを食べている。

というか、立ちっぱなしでいるのは体力的にキツイんです。


「・・・こんなとこにおったんか」

「侑士君!・・・と?」


侑士君の隣には、金髪で緑色のジャージを着た男の子がいた。


「あぁ、こいつは・・・」

「この伊達眼鏡の従兄弟で忍足謙也って言います。浪速のスピードスター・・・」

「うっとおしいわっ!約束通り会わせたってんから、もう用はないやろ。はよ戻れ」

「はぁ?!何言うとんねん!自己紹介しかしてへんやんっ!!」

「それでもう充分やろ」


――パチパチパチ


「「・・・・・・・・」」


繰り出されるマシンガントークに、思わず拍手をしてしまった。

流石、関西人!

2人揃っただけで途端に漫才が出来るなんて!初めて目の前で漫才を見たよ。


「あれ?私、何か間違えた?」

「・・・なんや、この子天然か?」

「せや・・・、ってこんな事しに来たんちゃうし」


2人は溜め息を吐きながら、私の両隣に座った。


「で、どうかしたの?」

「どうかしたの?って・・・心配したに決まっとるやん。立海の奴等のとこに名前ちゃんおらんし・・・」

「ごめん、幸村君達の邪魔しちゃ悪いと思って・・・」

「名前ちゃんを邪魔やと思うわけないやろ。・・・まぁ、そういう事にしとくわ」


侑士君は「無理しなや」と私の頭にポンポンと手を置いた。


――バレてました。


 ◇◆◇


その後、2人に『大阪弁講座』を開いてもらい、部屋に戻るまでの間、大阪弁を教えてもらいました。


「な、なんでやねん!」

「惜しいっ、イントネーションがちょっとちゃうな」

「なんでやねんっ!や、もう一回言うてみ」

「なんでやねんっ!」

「「おぉ〜、ええ感じや」」



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