vol.03


続々といろんな学校が集まってくる中、私達は豪華客船に乗り込んだ。

部屋は学校ごとに決められており、立海で女子は私一人なので必然的に一人部屋になった。

各自部屋に荷物を置いてから、開会式の会場で再び集合する。

私のスーツケースは遅刻した罰として、切原君が私の部屋まで運んでくれたのだが、罰なのでキャスターを使う事は許されなかった・・・。(ドンマイ、切原君)


 ◇◆◇


「中も凄いね・・・」


開会式の開場も、ここって船の中だよね?と確認したくなる程豪華絢爛。

丸井君と切原君、そして2人の保護者として桑原君――は早速料理を取りに走って行った。

既に全員集まっているようで、開場には人が溢れている。けれど、殆ど知らない人ばかり。

氷帝学園のテニス部の人は侑士君からよく話を聞くから知っている。

他校の人は試合を見に行ったことは何度かあるから、顔は知っていても名前までは知らない。


「ねぇ、あの子達も手伝いにきた子なのかな?」


男子は皆ジャージだし、女子は制服かジャージ。(私は制服)そんな中、私服姿の女の子が2人いた。


「・・・あぁ、彼女達は手違いでこの船に乗る事になったそうだ」


一体いつの間に調べたのか、柳君は手に持っていたノートを巡りそう答えてくれた。

柳君の話を聞きながら、なんとなく彼女達を見ていたら、オレンジ色の髪の男の子が彼女達に話しかけていた。


「名字さん、あの男には気をつけてね。――絶対に近づいちゃいけないよ」

「え、なん・・・了解」

「フフ・・・」


別に大丈夫だよと答えようとしたが、幸村君が素敵な笑顔だったので止めておいた。

うん、それが正解だったみたいだ。

柳君の視線もそう言ってたし。

そうこうしているうちに、開場が暗くなり舞台だけに照明が当てられる。

開会式が始まった。



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