早朝、学校の前でバスが来るのを待っている。 早朝だからまだ過ごし易いが、今日も暑くなるだろう。 「おはよう」 「おはよう、・・・それにしても凄い荷物だね」 幸村君のその言葉に、私は苦笑するしかなかった。 何泊するの?海外にでも行くつもり?と聞きたくなるような大きなスーツケースが私の荷物だ。 仕方なかったのだ。 この合宿に参加する事を渋る篠山さんをどうにか説得したまではよかったんだけど、荷物を用意してくれた篠山さんはいくら減らしてほしいとお願いしても、譲ってはくれなかった。 『女性は色々と必要ですから・・・ね(嫌なら行かせませんよ)』 若干黒い笑顔で言われれば、私に勝目などあるはずもない。 ◇◆◇ 集合時間まで後5分。 バスが到着したけれど、やはりと言うか、お約束通りと言うか・・・切原君はまだ来ていない。 真田君は校門の前で、仁王立ちで切原君を待ち構えている。 私達は既にバスの座席に座って、そんな真田君の様子を見ていた。(丸井君は早速お菓子を広げてるけど・・・) 「後3分で来るだろう」 「・・・どっちにしても、制裁は確定じゃな」 「それは、仕方ありませんよ」 柳君の言った通り、3分後に来た切原君は頭に大きなたんこぶを作って、バスに乗り込んできた。 これで、ようやく出発出来そうだ。 「うわぁ、痛そうだね」 「うぅ、名字先輩・・・」 「まだ説教が残ってるんだけどなぁ、赤也」 「ゲッ!幸村部長・・・」 →next |