「あぁ、おさるさんっ!」

「ウキキーッ」


久々にお会いするおさるさんと、ギュッと熱い抱擁。

どんなにおさるさんと会いたかったことか・・・。

けれど、あの日から始まった悪夢のせいで、私には自由というものが全てなくなってしまったのです。


 ◇◆◇


朝、あの怖い眼帯さんに捕まり教室へと入ると、何故か私の席が眼帯さんの隣へと強制変更されてしまいました。

そりゃ、文句の1つでも言わせてもらおうとしましたが、眼帯さんに一睨みされて・・・撃沈。

こんな勝手で横暴な席替えにも関わらず、誰も文句を言いません。

担任である片倉先生でさえ何も仰いませんでした。

それどころか、いつもより機嫌がよさそうに見えました。

授業中は脅える私を常に監視して、休み時間にはトイレに行くにも眼帯さんに言ってからでないと行かせてもらえません。(恥ずかしいのに“何処に行くんだ?”と腕を掴まれ、言うまで離してもらえませんでした・・・)

お昼休みも何故か、眼帯さんとその他の方々と一緒に食べなければいけません。

そんなこんなで、なかなかおさるさんに会いに行けなかったのです。


「でもっ、毎日おさるさんの分のデザートは用意してたんですよ」

「ウキ、ウキキッ」


1個の蜜柑を半分こして食べながら、おさるさんにここ最近の悪夢について説明する私。


「―・・・登校拒否したいです」


そうポツリと呟いた私の頭を、肩に乗ったおさるさんは撫でてくれました。

流石、おさるさん!

おさるさんは私の親友ですっ!!




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