「おい、名字」

「ひっ?!・・・か、片倉先生」


今日の授業もようやく終わり、靴箱に向かう途中で担任の片倉先生に声をかけられました。

この学校は生徒に負けず劣らず先生達まで不思議なくらい個性派揃いだったりします。

片倉先生はとっても優しい先生だと私は思っています。

が、見た目が物凄く怖くて、不意打ちだと未だに悲鳴を出してしまいそうになります。――初めて会った時は、半泣きでした。片倉先生はとても大きいし、顔と目付きが怖かったんです。

今もビクッと震えてしまった私に、片倉先生は苦笑いしていらっしゃいます。


「す、すみません!」

「まぁ、気にすんな」


勢い良く頭を下げると、片倉先生の大きな手で頭をワシャワシャと撫でられました。


(あわわわわわ・・・っ)


途端に顔が熱くなり、パニックになる私。

たったそれだけで?と思われるかもしれませんが、男の人にこんなふうにされた事ないんですよ!

平気なのは父と祖父ぐらいなもんです。


「どうだ?学校には慣れてきたか?」

「うぐっ、そ、それは・・・え〜っと・・・」


どう答えるべきでしょうか?

正直に答えるか、否か。

迷います・・・。


「近頃はマシな顔してるから、少し安心してるんだがな・・・」


そうなんです。

以前よりは楽しいですよ。

それもこれもおさるさんのおかげです!


「そうかも・・・しれません」

「そうか・・・」


片倉先生が笑ってらしたので、私もつられてヘラッと笑った。

すると片倉先生は一瞬目を見開き、また私の頭をワシャワシャと撫でてくれた。

そしてまた、パニックになる私。

あぁ、メガネがズレてしますっ!






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