「―・・・・・・what?」


成実から聞き出した教室へと急いで来てみたのはいいが、全く状況が掴めない。
というか、まさにカオスだ・・・。


「ヒギャアァ!」

「女の子はもっと優しく扱うもんだぜ」

「ウキッ!!」

「いやいや、それよりもさぁ・・・っ」


異様な叫び声を上げ続ける名前。

そんな名前を前田の風来坊が肩に担ぎ、机の上を飛び回っている。

そしてその後を追いかけている猿飛。

子猿は名前と反対側の肩に乗り、キキーと猿飛に向かって威嚇するかのように鳴いている。

風来坊が飛び回る度に机は音をたてて倒れていく。

自分の事でいっぱいいっぱいなのか、誰も俺がいる事には気付かない。

ピクピクと俺の顔が引きつっていく。


「・・・だ、大丈夫?」


背後から恐る恐る声を掛けてきた成実に振り返ってみれば、ヒエッと小さな悲鳴を上げた。


「どういう事か説明してもらおうじゃねぇか・・・」

「そ、その前に落ち着いて・・・ほら、深呼吸でもしてさ」

「俺は十分落ち着いてるぜ・・・Do you understand?」

「イ、・・・イェス」


未だカオスな状況が続く中、成実に詰め寄ってみたが、成実自身も何故こうなってしまったのかよく分かっていないらしく、全く話にならない。

一体、こいつは何やってやがったんだ・・・。

乾いた声で笑う成実をひと睨みした後、このカオスな状況を打破すべく足を一歩踏み入れた。



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