我に返った時には、目の前にはオレンジさんのドアップ。

それに思わず“う、ぎぁあぁぁっ!!”と自分でもビックリするくらい大声で叫んでしまいました。

するとオレンジさんも私と同じくらい慌て始めました。

けれど、そんな事にパニクっている私が気付く筈もなく、私は四つん這いのままワタワタと逃げ出しました。


「えっ?ちょっと・・・」

「こ、こっちに来ないで下さいぃぃっ」


逃げ出した私の足首をガシッとオレンジさんに掴まれれてしまいました。


 捕 ま っ た ・ ・ ・


頭の中を占めるのは、そんな言葉。

けれど、神様はこんな私の事を見放しませんでした。

颯爽と現れた、私のヒーロー!


「ウキキーッ!!」


そう、私の親友の・・・、


「おさるさんっ!」

「―・・・えっ?」


私の足首を掴んでいるオレンジさんの手の上に飛び乗り、その手を剥がしてくれたのです。

流石です、おさるさんっ!

その時のおさるさんには後光がさしてました。

そして、誰よりも輝いています。


「何で風来坊んとこの猿が・・・?」

「ウッキ、キーッ」


私が安心したのも束の間、私のヒーローがピンチに陥ってしまいました。

両手を広げて立ち塞がるおさるさんをオレンジさんはいとも簡単に摘み上げてしまったのです・・・。


「あぁっ、おさるさんっ!!」

「キッキキーッ!!」

「ちょっ、暴れないでよ」


嗚呼、なんという事でしょう・・・。

私のせいでヒーローが悪の手先に捕まえられてしまいました。

何とかしなくてはっ!

正直、逃げたいという気持ちがないわけではないのですが、親友を見捨てるなんて事は出来ませんっ。


「おさるさんを放して、く、ださ・・・」


オレンジさんへと向き直った時、私の視界がなんだか暗くなった。

恐る恐る振り返ってみれば、背後に大きな人影が・・・。


「みぎゃあぁぁっ!」


私の絶叫がまたしても響き渡りました。




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