調べたら直ぐに分かった。

殆ど教室にいないせいで、噂が耳に入ってこなかっただけで、学校の至るところで噂になっていた。


――伊達政宗のお気に入り?の名字名前チャン。


最近の政宗は常にその子を引き連れて(いや、引きずったり抱えたりして)いるらしい。

もしかしたら、前に俺様の耳にもその話が入っていたかもしれないが、興味がないどうでもいい話は直ぐに忘れるから、そのせいで覚えてないだけかもしれない。


「………」


取り敢えず、目の前にいる名前チャンを観察してみた。

至って普通。

いや、中の中の下?ぐらいの容姿にしか見えない。

政宗が引き連れていた女は、全身から色気を漂わせている様なタイプばっかりだったハズ。


(もしかして・・・・・)


見かけによらず、アッチ方面のテクが凄いのだろうか?

改めて名前チャンをじっくり見て、それはないなぁ〜と思い浮かんだ自分の考えを否定した。


「―…それにしても」


結構長い間、本人の真ん前で観察しているのだが、名前チャンは固まったままピクリとも動かない。

一度、名前チャンの顔の前で手を振りながら、名前を呼んでみたが反応は無いまま。


「名前チャン?」


女の子に見つめられる事には慣れてるけど、こんな風に長時間固まられたのは初めてで対応に困る。


「大丈夫〜?」


と声を掛けながら、プニプニとしたほっぺたを突っ突いてみた。


(おぉ、いい感触!)


赤ん坊のほっぺたってこんな感じなのかなぁ〜、と固まり続ける名前チャンのほっぺたを堪能する事にした。

ら、突然・・・、


「う、ぎぁあぁぁっ!!」


と名前チャンが泣き叫び始めた。


「えっ、ええっ?!」


俺様、かなりショックなんですけど・・・。



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