「あれ?竜の旦那は?」 「・・・そういえば、ここ最近見ていないでござる」 「アイツの事だから、休んでんじゃねぇの?」 代わり映えしない毎日、そんな日々が続いて行くと思っていたのに、ある日訪れた変化。 いつものようにいつものメンバーが集まる空き教室。 いつの間にか、ソファーやらテーブルやらテレビなんかが持ち込まれ、俺達の溜り場となっている。 ここに集まる連中は好きな時間に学校に来て、自分の教室ではなくここで一日を過ごす。 成績だったり部活動でちゃんと学校に貢献しているから、誰も文句は言わない。 というか、言わせない。 俺様達にとって、かなり有難い校風だと言える。 (・・・ホントにそうなのかなぁ?) 竜の旦那がいない事を不思議に思っているのは、どうやら俺様一人らしく、他の連中は思い思いに好きな事をしている。 「あぁっ、旦那!溢してるよ」 「・・・ん?おぉ、気付かなかったでござる」 誰かからの貢ぎ物であろうお菓子を食べている旦那の口からは、ポロポロとお菓子の欠片が落ちていく。 (まぁ、何にせよ俺様には関係ないか) 今でさえ、旦那の世話で手一杯だっていうのに、これ以上の面倒事は御免だ。 でも、何かが引っかかっる。 あの竜の旦那の事だから厄介な事を巻き起こす事はあっても、巻き込まれる事なんてないハズ。 (・・・一応、調べてみますか) 面倒事なら何も知らなかった事にすればいいし、もし面白い事になっていたなら・・・。 旦那から視線を逸らし、ニンマリと上がっていく口元。 丁度、この単調な毎日に飽きてきたところだったしねぇ。 →next |