初めてのお友達


眠りから覚めると、私のベッドの横にある椅子にある人が座っていた。


「おはようさん」

「・・・ん、おは・・・よう?」


彼は読んでいた本をパタンと閉じて、まだ若干寝ぼけている私の頭を撫でた。


「体調はどうや?」

「大丈夫だよ。――問題なのは体力をつける事だけだから」


1年以上寝たきりだった私の体はかなり弱っていた。筋肉が落ちてしまっていて、病院内の移動も車椅子だし、体を起こすだけでも時間が掛かってしまう。

小さくなってしまった胃のせいか、食事も直ぐにお腹一杯になってしまい、なかなか体力もつかない。


「そりゃしゃーないで、リハビリは時間がかかるもんなんやし」

「・・・だよね」


そう言って二人揃って苦笑していると、コンコンとドアをノックする音が聞こえきた。

どうぞと答えるとそこにいたのは私の主治医であり彼の父親でもある忍足先生だった。


「侑士、来てたのか」

「ずっと病室に籠りっぱなしやと名前ちゃんも退屈やろ?」

「うん。侑士君が来てくれるのいつも楽しみにしてるから・・・嬉しい」


「「・・・・・・・・・・」」


私がそう答えると2人は一瞬目を見開き、先生は声を上げて笑い、侑士君はなんだかバツの悪そうな顔をした。



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