彼女達の話を聞いてみて、直ぐにわかりましたよ。 要するに、私のことが気に入らないらしい。 まぁ、部屋割りにしても特別扱いしてもらっているしそれも仕方ないと思う。寧ろそのことをすんなり受け入れてしまったうちのクラスが変わってる。 でもさ、話を聞いてるうちに私が特別扱いされていることじゃなくて、私が美形集団と同じグループってことが気に入らないんだとわかった。 彼等がどんなに凄いのか、どんなにモテるのかとか…びっくりするくらい語り出すんだもん。 私にとってそのどれもが初耳で、素直に『知らなかった』と言った時の彼女達の表情といったら…。 はぁ!?だから何?喧嘩売ってんの? もし私が中身も十代ならそうなってたんだろうけど、イラッとする以上に『あぁ、恋する乙女なんだなぁ〜』と彼女達が可愛く思えて仕方がない。 若干暴走気味ではあるけれど…。 でもさ、綺麗にセットされた髪とか艶々したネイルとか見ちゃったら、彼女達が今日の為にどんなに頑張ってきたのか、どんなに時間をかけてきたかわかるんだよね。私も一応女の子だし、昔私もそんなことしてたなぁ、って。 「色々と教えてくれて、ありがとう」 そして、おばちゃんが美形集団を独占してゴメンよ…。と口には出せないので、心の中で謝っておいた。 「…何の話しているの、名字さん?」 その時、突然背後から聞こえてきた聞き覚えのある声。勿論私は驚いたんだけど、それ以上に沸き起こった恋する乙女達の歓声に驚いてしまったのでした。 驚いた時に思わず『うおっ!?』と乙女らしからぬ言葉が小さく出てしまった。歓声にかき消されて聞こえていないことを願う。 →next |