捕獲された模様です


お土産コーナーには、その土地の特産品や観光名所のキャラクターが印刷されたお菓子等がところ狭しと並べあった。気に入った物があればここで買ってもいいし、明日は明日で自由時間があるからそこで買ってもいい。

試食用に置かれていたお菓子を一つ口に入れながら、何かいい物がないかと探してはいるものの、チラチラと視界に入るのは同じ学校の生徒達だった。そのほとんどが二、三人のグループで、なんとな〜くだけど居心地が悪い。そう思っていると、


「名字さん…だよね?」


背後からポンポンと肩を叩かれ、声をかけられた。振り返ればそこには女の子が3人。

名字さん――聞き間違いかとも思ったけど、呼ばれた名前は確かに私の名前だ。

残念ながら私は彼女達の名前がわからないし、見覚えすらない。向こうは話したことがない私の名前を知ってくれているとうのに、私は覚えてないなんて!もしかして同じクラスだったりして…どんだけ私ってば失礼なやつなんだっ!!

内心焦りまくりな私だけど、顔には出てないはず。会社勤めで身につけた作り笑いをなめちゃいけないぜっ!


「うん。そうだけど…何か用事かな?」


不快に思われないように私はニッコリ笑ってみせた。



 ◇◆◇



「へ、へぇ〜、そうだったんだ」

「えーっ!?名字さんそんな事も知らなかったの?」

「立海の常識だよ〜」

「ハ、ハハッ…知らなくてごめんね」


今、私の顔はかなり引きつっているに違いない。なのに、彼女達はそんな私に構うことなく喋り続ける。

一言叫んでいいかな?

なんか、厄介な子等に捕まったーっ!!




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