結構、余裕をみて家を出たつもりだったけど、学校が見えてきた時には後10程しかなかった。 「入学式に遅刻とかあり得ないだろィっ!」 校門を通り過ぎた時、なんとなく視線を感じた。フッと見上げてみれば、 (彼女だっ!!) 直ぐに視線が外れてしまったけど、あの時の消しゴムの天使だと遠目からでも分かった。 (彼女も合格したんだ) また会いたいとは思ってたけど、もう二度と会えないかもしれないとも思っていた。 何度も彼女の事を思い出していたけど、思い出していた彼女の姿より、実際の彼女の方が何倍も綺麗で・・・ここから見える彼女の横顔に思わず見惚れてしまう。 「って、ヤバイ!遅刻しちまうっ!!」 焦りながらも、顔がニヤケてしまうのを押さえ切れなかった。 入学式の最中、彼女の姿を探そうとしたけれど「キョロキョロするな」と担任に怒られ断念。(何度も注意されたが無視してたら、俺の隣から移動しなくなった。最悪だ!) 「オイッ、ジャッカル!いたぜ、消しゴムの天使!!」 「ブン太・・・消しゴムの天使って・・・」 「仕方ねぇだろィ、名前分かんねぇし・・・つーか、なんでお前と同じクラスなんだよっ!!なんで彼女と同じクラスじゃねぇんだよっ!!」 「それは俺の台詞だっ!!・・・って、俺に言っても仕方ないだろうが・・・ハァ〜」 こうなったら絶対に消しゴムの天使を見つけてやるぜィ!!!! 溜め息混じりなジャッカルに気付く事なく、俺は一人決意した。 →next |