また明日


「あれ?」


真田君と二人で校門まで来てみたが、車も篠山さんの姿もない。


「どうかしたのか?」

「まだ、迎えの人が来てないみたいなの。・・・あ、真田君ここでいいよ。運んでくれてありがとう」

「・・・っ、いや、迎えが来るまで俺も一緒に待っていよう」


断ろうかと思ったが、真田君に「一人で待つのは退屈だろう」と言われ、彼の好意に甘える事にした。

彼は責任感からそう言ってくれたのかもしれない。例えそうだったとしても、私は初めてクラスメイトと話が出来て嬉しくてしかたがなかった。

待ってる間、私はいろんな事を真田君に尋ねていた。

学校についてだとか、趣味についてだとか・・・、真田君はどんな質問でも丁寧に答えてくれた。

そして、彼の中学時代について尋ねようとした時、一台の車がやって来た。


「申し訳ありません、名前様」


急いで車を降りてくるなり、私に頭を下げた篠山さん。

隣をチラッと見れば、この状況かそれともこの車にか真田君は戸惑っているようだった。


「真田君、今日は本当にありがとう」

「いや、気にすることはない」

「でも・・・」

「名字、また明日」

「・・・?!うん、また明日!」


車が走り出しても、真田君は車が見えなくなるまで見送ってくれた。

真田君の一言で、明日が待ち遠しいものとなりました。



→next

- 8/15 -

[*前] | [次#]
しおりを挟む


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -