無事に高校に合格した私は、新しい制服に身を包み車から降りた。 (う゛・・・) その瞬間、周りの人の視線が私に突き刺さってくる。そりゃこんな車から降りてきたら誰だって見てしまうだろう。(しかも、執事付きだし・・・) 送り迎えはしなくてもいいと言ったけど、まだ通院中だし体調も万全ではないからと、両親や篠山さんは一歩も引かず、私が折れるしかなかった。 確かに体育の授業も参加出来る状態ではなく、変わりにレポート提出をしなければならない。 事故にさえ合わなければ私はここの中学に通う予定だった事と試験の結果を考慮して、そういう話になった。 目立つのは苦手だけど、私を案じての事だから仕方がない。そうは思ってみても気が重くなってくる。 「どうかなさいましたか?名前様」 私の心中を察しているくせに、有無を言わせない笑顔を私に向けてくる篠山さんはタダ者ではないと思う。 この人も両親に負けず劣らず過保護だ。 (ちくしょう、顔と年齢もドンピシャなのが余計に悔しいっ!!) 私が軽く睨んでみても、何でもないかのように流された。 「・・・いってきます」 えぇ、分かってますよ。私の完敗です。 悔しさを噛み締めながら、自分のクラスへと向かった。 →next |