試験もようやく終わり、俺達は待ち合わせ場所の中庭に集まっていた。 受験勉強から解放されたお祝いに、ブン太がテニス部のメンバーで飯を食いに行こうと前から言っていたからだ。 しかし、いくら待っても言い出したブン太のヤツが来ない。 「ジャッカル、どうだった?」 「・・・出ねぇ」 と、尋ねてきた幸村に首を横に振って返事をする。 メールを送ってはみたが返事はこねぇし、こうして電話をかけてみたが一向に出る気配がねぇ。 「・・・ん、あれブン太じゃなか?」 仁王の視線の先には、見慣れた赤い髪。 ――けれど、なんだか様子がおかしい。 そう思ったのは俺だけじゃないらしく、他のメンバーも不思議そうに首を傾げている。 ふとブン太と目が合った瞬間、物凄い勢いて俺達に向かって走ってきた。 「ヤベエ、ヤベエ、マジでヤベエって!!」 と叫びながら、俺の肩を掴みガクガクと揺する。 「お・・・いっ、ちょ・・・ブン・・・」 止めてくれっ!!という俺の心からの叫び声はブン太には届きそうにない。 ブン太をどうにか落ち着かせて、とりあえず俺達は近くのファミレスへと向かいブン太の話を聞く事にした。 ――はぁ?!消しゴムの天使?!なんだそれ?頭、大丈夫か? それが、その時ブン太の話を聞いた俺達の正直な感想だった。 →next |