(02/03)




今日集まった者の中には、今までジャッカルと同じクラスになったことがなく、この状況を把握していないままの者もいる。

そういう人達のために、先ずはどれだけジャッカルが苦労しているか、どれだけイイヤツなのかが語られる。


「なんで俺は今まで気づかなかったんだぁーっ!!」

「これからは、桑原君に迷惑はかけないわ!」

「なんてイイヤツなんだ…うぅっ」


30分もすれば、皆がジャッカルを敬う気持ちでいっぱいになる。


「…でもさ、それが名字となんか関係があんの?」


今日の集まりについて送られてきたメールには、ジャッカルだけでなく名字にも気づかれないように!!と書かれていた。だから、そう疑問に思ってしまうのも仕方がないこと。

けれど、そう口にした途端数人の目付きが変わる。


「関係大有りだっ!!」

「名前はジャッカル君にとって、唯一の癒しなのよっ!」

「名字さんがいなかったら、俺達はジャッカルの苦労に気付けなかったんだぞ!」


「…な、なんかゴメン」


次々にジャッカルにとっての名字名前という人物の重要性が語られていく。

本人は全く気づいていないが、名字名前はこうして立海テニス部と同じくらい裏で有名になっていくのだった。




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