「俺様と名前ちゃんって、こう赤い糸で結ばれてるんだと思うんだよねぇ〜」 「お、思いませんっ!」 頬杖をつきながら私にウインクしてきた猿飛君に、ビシッと突っ込んだ。 (あぁ、やっぱり私は神様に嫌われてるんだーっ!!) 私は頭を抱えて、机に突っ伏す。 今日行われた席替えて、なんと隣の席が猿飛君になってしまったのだ。 昨日の帰りに神社に寄って、猿飛君と離れた席になるようにお願いしてきたのに・・・。お賽銭だってかなり奮発した。(おかげで財布がかなり軽くなった) その結果がコレですか?! その上、猿飛君だけじゃなくてあの盗撮写真の時のメンバーに囲まれてしまうという不運。今おみくじを引いたら、絶対に大凶を当てるよ・・・っていうくらい不運だっ!! 頼みの綱であるかすがちゃんとは離れてしまった。 「あのさぁ、名前ちゃん」 「な、何でしょうか・・・」 「何で逃げるのかなぁ?」 「ち、近づいて・・・来るから・・・です」 猿飛君が椅子ごと私の方へと移動させてくる。と、私も同じ距離だけ椅子ごと移動する。 一向に縮まらない距離。 ・・・なワケがなかった。 「まぁ、猿よりは俺の方がいいよなぁ」 トンッと背中に何かがぶつかり振り返ると、ニヤリと笑う伊達君の顔が目の前にあった。 「・・・っ?!」 お互いの唇まで後数センチという事に驚いて、とっ嗟に逃げようとしたが、伊達君に腕を回され逃げられない。 (うわぁ、うわぁ、うわぁー) パニックのあまり半泣き状態になる私。 「竜の旦那より俺様の方がいいよねぇ?」 前を向けば、今度はニンマリと笑う猿飛君の顔が目の前にあった。猿飛君は両手で私の椅子の背もたれの部分を掴んでいる。 逃げられない・・・。 まさに、前門の虎、後門の狼である。(いや、この場合は前門の猿、後門の竜か・・・ってそんな事を考えてる場合じゃない!) 固まっている私をよそに、2人はドンドンとエスカレートしていく。 「正直に言っていいんだぜ・・・俺だって、なぁ、honey・・・」 伊達君が私の右の耳元でそう囁けば、 「勿論、俺様だよね・・・、恥ずかしがる必要ないから・・・ね?」 猿飛君が対抗するように、私の左の耳元でそう囁く。 何で、真っ昼間から教室でこんな目にあわなきゃいけないのっ?! 「は・・・」 「「は?」」 「破廉恥でござるぅうぅぅ!」 思いっきり大声でそう叫んでやった。 くっつかないでください移ります変態が 真田君が思わずそう叫んでしまう理由がよくわかりました。 →next |