ジャッカル君の笑顔で報告してくれたのが嘘のように、次の日からジャッカル君は日に日に元気がなくなっていった。


「ねぇ、桑原君どうしちゃたの?」

「名前はなんか聞いてない?」


クラスメートからの問いに、私は首を横に振った。


「マジで!?」

「名字にまで何も言ってねぇなんて…」


途端にざわめき出すクラスメート達。今までにも数回、今みたいに沈んだ表情を見せたことはあったけれど、その時は私にだけはその理由をちゃんと話してくれた。

けれど、今回はいくら聞いてみてもはぐらかされてしまう。


「でもさ、ジャッカル君だけじゃなくて、あの二人の様子もおかしくない?」


そう言ったクラスメートの視線の先には、岡本君と上田君の姿があった。二人は難しい顔をして話し込んでいる。


「あの二人にも聞いてみたけど、何も答えてくんねーの」


その言葉に、私達は一斉に溜め息を吐いた。

今やジャッカル君はこのクラスのムードメーカー的存在で、ジャッカル君が沈んでいれば、私達まで沈んでしまう。


「…やっぱりテニス部で何かあったんだよ」


誰かがポツリとそう呟いた。




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