「名字、聞いてくれ!テニス部に正式にマネージャーが入部することになったんだっ!!」

「ほ、本当に!?」

「あぁ、これで俺の苦労も少しは…くっ」

「よかったなぁ〜、ジャッカル」

「今まで苦労してたもんなぁ、お前」

「おめでとう、ジャッカル君!」

「…なんか嬉しさのあまり、オレまで泣けてきたぜ」


朝練が終わってから教室に駆け込んできたジャッカル君の涙ながらの報告に、私だけじゃなくクラス中が喜び、歓声と拍手が沸き上がった。(中にはもらい泣きまでする人もいたり)

今まで『仮』のマネージャーは諸事情(大半がレギュラー目当てだったため)で長続きしたためしがなかった。

けれど、『正式』にということは見る目が厳しいレギュラー達にもちゃんと認められたということ。

マネージャーがするような仕事は主に一年生がするんだけど、いい人が代名詞であるジャッカル君が見ているだけで済むはずもなく、いつも仕事を手伝っていた。

朝練の準備から放課後の練習の後片付けまで。

その後に自主練をして、他のレギュラー(主に丸井君)の自主練の後片付けまで押し付けられたり…。

私達は皆そのことを知っていたし、手伝いたかったけれど部外者である私達が手伝えるわけもなく、『頑張って!』と応援することしか出来なかった。

これで、ジャッカル君はより一層テニスの練習に励むことが出来ると喜んでいた私達。




けれど、その次の日からジャッカル君の様子がおかしくなっていった。




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