今日も今日とて、彼女は一生懸命レギュラーに纏わりついてる。部活で近付けない分、放課後までの時間をタップリ使って自分アピールしてる。勿論、レギュラーはシカトしてるが。

そして、一番の被害者は仁王だと思う。丸井は教室に居れば花本が寄って来ると分かり、授業が終わったらすぐにジャッカルの教室に逃げるようになった。仁王もそうすれば良いのに、「俺まで逃げたら次は幸村の所に行くじゃろ、そしたら俺が殺されるぜよ」と考えてるらしい。…まあ、幸村なら有り得るかも。

仁王の方を見れば視線が合って、死にそうな目で「助けんしゃい」と訴えてた。助けたら私にも火の粉が掛かるし、いつもはシカトするんだけど…さすがに仁王が可哀想になってきた。少し顔色も悪いし、今日は助けてあげよう。

「ねぇ雅治ぅ、聞いてるよぉ!」

「…」

『仁王』

「何ぜよ、名前」

「っ、」

『ちょっと集まれ、だって』

「了解ナリ」

「、なら、私もぉ?」

『…レギュラーだけだよ』

「平はいらんぜよ」

「っ、…行ってらっしゃぁい」

『「……」』

花本の言葉は無視して、二人で教室を出る。そのまま屋上へ行き、次の授業はサボる事にした。

「…はあ〜〜」

『盛大だね』

屋上に着くなり盛大に溜め息を吐く仁王。相当ストレスが溜まってたみたい。

「本っっ当にウザイ奴じゃ」

『…お疲れ様』

「ブンちゃんだけ狡いナリ…」

『まあ、ブンちゃんの行動は正しいっしょ』

「アイツは何であんなプラス思考に考えられるんじゃ?」

『さあ…、馬鹿なんじゃない?』

「…はあ〜〜」

仁王は体育座りして頭を膝に埋める。黙ってそのまま頭を撫でる。しばらく撫でれば仁王は顔を上げ、「お前さんは守るぜよ」と言った。

『大丈夫だよ、…あんなのに負けないし』

「それでも、じゃ」

『…ありがとう』

今日は仁王の気分が落ち着くまでこのまま付き合おう、そう思った。

『…空が青いね』

「…そうじゃのぉ」

『深呼吸、しよっか』

「…プリ」

清々しく晴れてる空を見上げ、二人で大きく深呼吸をした。吐いた息と共に仁王の疲れが空に消えて欲しい、そう願った。


(私には何も出来ないけど、)



fin.



空は晴れてる




ふわひら』のゆこた様からキリリクで頂きました。
ありがとうございました。

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