今日も部活をサボって、裏庭の木陰で眠る。

本気でサボるつもりはないけど、ただこうしてれば彼女が迎えに来てくれるから。

ただその時を待っているだけ。



少女A
についての考察 03



いつからだろうか?

当たり前のように名前は跡部の隣にいたのに、そうじゃなくなったのは…。


「…跡部もバカだC〜」


跡部は名前に当て付けるように、好きでもない女の子と付き合ってる。

けど実際は、名前が跡部の彼女にこれっぽっちもヤキモチなんか妬いたりしないC、それどころか「私よりも彼女を優先してあげてね」なんていつものあの笑顔で言われちゃってる。

そんで、直ぐに跡部は彼女と別れてまた名前の隣に戻る。

でも、また暫くしたら跡部には新しい彼女が出来る。

跡部はそんなくだらなくて意味が無い事を、何度も何度も繰り返す。

そのくせ、名前に近寄るヤツ―男でも女でも―を許さない。

でもさ、いくら跡部が牽制したって彼女がいる間に、隙が出来る。

その隙を見逃さないヤツだっている。

例を上げれば、忍足。

前までは探る様に名前を見てたのに、今じゃ隙を見つけては名前に話しかけてる。

そして、俺もその1人。

跡部に彼女がいる間は、寝ている俺を起こしにくるのは名前だから、こうやって寝たフリして名前が来るのを待ってる。

忍足よりも跡部との付き合いが長い。イコール、名前との付き合いも長いって事。

跡部のせいで2人きりで話す事は少ないけど…。


「うん…、やっぱりバカだC〜」


空回りしている跡部。

そんな事したって、名前の気持ちを得られたりしないのに…。




「…誰がバカなのかな?芥川君」




ほら、やっぱり名前は来てくれた。背中にお日様を背負って…。


「また怒られちゃうよ」

「ん〜、まだ寝てたいC〜」

「仕方ないなぁ、芥川君は…」


ホントは眠たくなんかない。

だって、跡部じゃなくて俺の隣に名前がいるのに、寝てるなんてもったいない。

そんな俺の気持ちを分かっているくせに、名前は分からないフリをする。


「じゃあ、後5分だけね」

「ねぇ…、名前が俺の事"ジロー"って呼んでくれたら……直ぐに起きるc」





「ん〜、それは…無理かな?」


寝てる俺の頭を撫でる手はこんなに優しいのに…。

ねぇ、何でかな?







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