「あ、これ、俺の嫁だから」


昼休みの屋上にて、初めてテニス部のレギュラーとお会いすることになりました名字名前でございまする。アレ?私かなりテンパってる?

ポカーンとした表情で私を見るイケメンな方々。それにしても、こんな表情を見れるなんてかなりレアなことなんじゃない?あ、真田君がお箸落とした…って、


「痛い、痛いです!」

「俺以外の男のことを考えるなんて、いい度胸してるよね、フフッ」


さっきまで私の首根っこを掴んでいた幸村君の手が、いつのまにか私の頭を掴んでいる。なんかミシミシと音がしている気がするんですがっ!

幸村君の「座れば」という言葉と共に、背中に蹴りが入り、顔と地面がごっつんこという日常ではなかなか経験しない(したくもない)体験をした私に、何こいつという冷たい視線が突き刺さる。

私だって、来たくてきたんじゃないやいっ!!

そう声を大にして叫びたいが、そんな度胸があったなら、今ここに私はいない。

幸村君の呼び出しをなかったことにしようかとも思いましたさ。

でも、昼休みを告げるチャイムが鳴っても動こうとしなかった私に、これまたクラスの女子達の『幸村君の呼び出しを無視するなんて、いい度胸してるよな』という鋭い視線が突き刺さり、友達にも見放され、なくなく教室から出てきたんです。

けれど、教室を出る際にも『幸村君と一緒にお弁当食べるなんて、羨ましいんじゃ、コノヤロウ』という鋭い視線をいただきました。

行かなくてもダメ、行ってもダメって…一体、私にどうしろってんだぁっ!!

グスッ…






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