「ハァ・・・」 怒り過ぎて、自分でも次第になんだかどうでもよくなってきた。 それに、だ。 こうして2人きりになれたというのに、それを思う存分楽しんだ方がいい。 ここは俺の部屋で、いつもしゃしゃり出てくる邪魔者はいない。 「・・・こっちに来い」 警戒している為か距離を置いて正座している名前に、俺の直ぐ前に座るように言えば、 「は、はい・・・イダッ!」 立ち上がろうとした名前だったが、足が痺れていたせいか前のめりに倒れて、ゴチンと額を床にぶつけてた。 どんだけこいつはトロイんだ・・・。 しかし、そんな姿さえも可愛いと思う俺はかなり重症だ。 仕方なくソファーから立ち上がり、額を手で押さえながら「ぬぎゃあぁぁ」と奇声を上げる名前の真ん前にドカッと腰を下ろす。 「あの、もうそろそろ帰っても・・・のぉあいっ!!」 言葉の続きを聞きたくなくて名前の足を触れば、名前はまた奇声を上げて悶え始めた。 「も、申し訳ないんですが、足だけは・・・ひょえぇ!!」 今度は名前の足に手を滑らせるように撫でてやった。 予想通りの反応をする名前にクツクツと俺の笑い声が漏れる。 よっぽどいい顔をしていたのか、名前は俺の顔を見た瞬間ピタリと動きを止めた。 その隙に、名前を俺の膝の上に座らせてやった。 「こんな時間に男の部屋に来たんだ。覚悟は出来てんだろうなぁ」 「あの、それは無理矢理・・・」 「そうか、そうか、覚悟は出来てんだな」 「いや、あの、ちょっと・・・」 「ならちゃんと期待に応えてやらねぇと・・・なぁ?」 そう言って顔を近づけてやれば、名前は真っ青になってしまった。 普通の愛し方はもう飽きた それが“愛”ならいいじゃねぇか なぁ、honey? →end&後書き [*前] | [次#] |