「ハァ・・・」


怒り過ぎて、自分でも次第になんだかどうでもよくなってきた。

それに、だ。

こうして2人きりになれたというのに、それを思う存分楽しんだ方がいい。

ここは俺の部屋で、いつもしゃしゃり出てくる邪魔者はいない。


「・・・こっちに来い」


警戒している為か距離を置いて正座している名前に、俺の直ぐ前に座るように言えば、


「は、はい・・・イダッ!」


立ち上がろうとした名前だったが、足が痺れていたせいか前のめりに倒れて、ゴチンと額を床にぶつけてた。

どんだけこいつはトロイんだ・・・。

しかし、そんな姿さえも可愛いと思う俺はかなり重症だ。

仕方なくソファーから立ち上がり、額を手で押さえながら「ぬぎゃあぁぁ」と奇声を上げる名前の真ん前にドカッと腰を下ろす。


「あの、もうそろそろ帰っても・・・のぉあいっ!!」


言葉の続きを聞きたくなくて名前の足を触れば、名前はまた奇声を上げて悶え始めた。


「も、申し訳ないんですが、足だけは・・・ひょえぇ!!」


今度は名前の足に手を滑らせるように撫でてやった。

予想通りの反応をする名前にクツクツと俺の笑い声が漏れる。

よっぽどいい顔をしていたのか、名前は俺の顔を見た瞬間ピタリと動きを止めた。

その隙に、名前を俺の膝の上に座らせてやった。


「こんな時間に男の部屋に来たんだ。覚悟は出来てんだろうなぁ」

「あの、それは無理矢理・・・」

「そうか、そうか、覚悟は出来てんだな」

「いや、あの、ちょっと・・・」

「ならちゃんと期待に応えてやらねぇと・・・なぁ?」


そう言って顔を近づけてやれば、名前は真っ青になってしまった。









それが“愛”ならいいじゃねぇか

なぁ、honey?




→end&後書き
- 39 -

[*前] | [次#]

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -