学校内で飛び交う噂や話題。 俺は気付かれないようにクラスメートの話に耳を傾ける。 ここ最近立海の中で1番話題に上がっているのは、ある人物についてだった。 一人は、 ――真田弦一郎 そしてもう一人は、 ――名字名前 この2人だ。 弦一郎は中学生の頃から、その風貌や言動、そして立海テニスの副部長という事で何かと注目されていたが、今は別の事で注目されている。 急に女子達が窓際に集まり、ざわめき始める。 女子達の視線の先を辿れば、そこには弦一郎と名字の姿があった。 「・・・今日も興味深いデータが取れそうだ」 噂の的になっていると知らない2人は、楽しそうに話をしている。 「真田君もあんな顔するんだね」 「最近、なんか真田君が前よりかっこよく見えない?」 「私もそう思ってた!」 その言葉を証明するように、テニスコートに集まる弦一郎のファン数も以前の1.5倍になった。 「真田君と名字さんて付き合ってんのかなぁ?」 その言葉を聞いた瞬間、思わず俺はペンを止めてしまう。 (フッ、弦一郎がそれを聞いていたら、いつもの台詞を叫ぶ確率100%・・・) 俺は再びノートにデータを書き始めたのだった。 →next [*前] | [次#] |