「依頼が早く終わってよかったですね」

「銀ちゃん、酢昆布!」

「いやいや、その前にパチンコでこれを倍に・・・」

「ふざけるなぁあぁぁあっ!!」


正午過ぎ、仕事を終えた俺達は歌舞伎町を万事屋に向かってブラブラと歩いていた。

その途中で神楽が何度か立ち止まる。

名前に似た姿の人を見かけたから・・・。

その姿を視線で追って、違う人だと分かると肩を落とす。

立ち止まりはしないものの、俺も新八も神楽と同様に行き交う人の中に名前の姿を探してしまっている。

この町にいるはずがない。

そう思っていても、探さずにはいられなかった。


 ◇◆◇


万事屋の近くにある公園に差し掛かった時、“ある色”が目についた。


―俺と同じ銀色の髪した子供。


羨ましい事に、その子供は天パではなかったが・・・。


「銀さんと同じ色ですね」

「おぉっ、天パじゃないネ!」


公園で一人で遊んでいたその子供の頭を、神楽は嬉しそうに撫でる。


「ボクはいくつなのかな?」


子供の目線に合わせてしゃがんだ新八の問いに、その子供は指で答えようとしたが、


「2?3?どっちだろ・・・」


薬指が微妙な位置にあるため、いまいち分からない。


「オマエ、迷子アルカ?マミーはどこにいるネ?」


神楽の問いに子供はある方向を指差して駆け出した。


「―…!!」


微かに女の声が聞こえてきたのだが、その聞き覚えのある声色を確りと認識した瞬間、俺の心臓がバクバクと反応し始めた。


(嘘・・・だろ・・・・・)


俺だけでなく、新八や神楽もその人物に気付いたらしく、目を見開いたまま固まっていた。




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