辺りには錆びた鉄の様な臭いや何かが焼け焦げた臭いが漂い、先程までの喧騒が嘘のような静寂。


「任務完了・・・ですね」

「あぁ」


今、この場にいるのは私とスクアーロ様のみ。

任務は終わったというのに、私は更に高まり続けるこの高揚を必死に抑えていた。

そうしなければ、今にも高笑いしてしまいそうだ。


「もう、終わってんだぞぉ」

「分かってますよ、隊長」


自分の隊服を私に掛けて、部屋の外へと促すスクアーロ様。

裸同然で、血まみれ―殆どが返り血だけど―な私の姿を見ていられなかったんだと思う。

任務の最中はいたって冷静だったのに、終わった途端に私の姿に耳を赤くして動揺するとは・・・。


「な、何だぁ?」

「有り難うございます」


思っていた事は口にせず、貸して頂いた隊服の礼を述べるに留める。


「帰り次第、急いでシャワーを浴びろ。その後、・・・報告に行くぞぉ」

「スクアーロ様、ここ最近、まともに寝てないんですけど・・・」

「・・・・・・・・」


「俺に言うな」とばかりに視線を逸された。

今回は体を使った任務だったので、少なからず私の体には焼け焦げてしまった物が付けた跡が残っている。

任務だった、と言ったところでボスが聞き入れてくれるハズもなく・・・。

今夜は昨夜以上に死にかけるに違いない。




不感症のこころ




こんな血まみれな女なんて、相手にしなきゃいいのに。



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