ガツンと躯を襲う鈍い痛みで目が覚めた。

どうやら私はベッドから蹴り落とされたようだ。

私を蹴り落とした本人は、私など既に視界には入っておらず、裸のままバスルームへと入って行った。

私は痛みに耐えながら、そんな彼の後ろ姿をぼんやりと見つめていた。

シャワーの音が聞こえ始めて、私はノロノロと起き上がる。

腰の痛みと躯のダルさに耐えながら、床に散乱している下着と隊服を拾い上げ、身に付けた。

あの方がバスルームから戻る前に私はこの部屋を出ていかなければならない。

そうしなければ、あの方だけでなく私やこの部隊の仕事に支障をきたす。

今日は一応あの方が目覚めるまで眠る事が出来たのだから、まだマシな方だ。

ある時は事が済めば即部屋から追い出され、ある時はふと目覚めた時に邪魔だと私を追い出し二度寝する。

かと言って、私が自分からこの部屋を出ていく事は許されていない。

あの方が私を追い出すまではここにいなければならないのだ。


一体、いつまでこんな事を続けるのか?


そう思ったところで、私にはこの馬鹿げた情事に終わりを告げる権利などそんなものはありはしない。

ただ、あの方の気まぐれが終わるまで待ち続けるしかない。

私はこの場にいない部屋の主に一礼した後、ドアノブに手をかけた。


 ◇◆◇


あの方の部屋を出ると、いまいましいくらいの明るい日差しが私を迎えた。

溜め息を吐きたい気分だったが、それを押し留めて私は自分の部屋へと歩き出した。ここで溜め息なんか吐いたら、気付いたあの方に何をされるか分かったもんじゃない。



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(・・・寝直そ)





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