なんとか無事に迎えることが出来た、練習試合当日。

案内と挨拶の為に校門前で相手の学校を待っていたら、ムダに豪華なバスがやって来た。

今日の対戦相手である氷帝学園の登場だ。


「よぉ」

「・・・どぉも」


まぁ、知ってる人達なので気楽なものだ。

片手を上げて挨拶してくる俺様な部長に、軽く頭を下げて私も挨拶した。

氷帝のレギュラー陣の姿に、うちの学校の女子達が色めき立つ。


「名前ちゃんにこうして会うんも久々やな」


胡散臭い笑顔で話し掛けてくる伊達丸眼鏡。

彼の手が私の肩に触れようとした瞬間、私の体は後ろへと引っ張られる。

スカッと丸眼鏡の手が空を切った。


「「・・・・・・・・」」


何とも言えない沈黙の中、ぐるっと私の視界が回った。そして、視界一杯に雅治の顔。


「ええか、こいつは脚の綺麗な子が好きというムッツリじゃ、迂濶に近づいたらいかん」

「・・・」


腰を屈め、私の両肩をガッシリと掴みながら、真剣な表情で言い聞かせるように雅治は言う。

そんな事よりも、背中から感じる冷めた視線を何とかしてほしい。


「それだけじゃなか、このホクロは気が強い女が好きなんじゃ。ツンデレの名前は恰好の餌食じゃ」

「誰がツンデレだ」


ふざけた事を口走った雅治の頭を思いっきり殴って黙らせた。

頭を抱えて座り込んだ雅治を放置して、氷帝メンバーへと向き直る。


「お待たせしてすみません」

「・・・いや、気にするな」


彼等は引きつり気味の表情だったけど、私は気にする事なくテニスコートへと案内した。



KISS kiss xxx:02




(あれ?仁王は?)(・・・さぁ?知らない)(ハァ、今回もですか・・・)(回収に行ってくるぜぃ、ジャッカルが!)(俺かよっ!)


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