クリスマスパーティ! 2

「おーい、皆!キリト来るってよ!」

エギルが携帯の通話終了ボタンを押して、後ろを振り向きながら言う。

すると、後ろに居た者たちの歓声が一気に沸きあがる。


「「「「YEEEEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!
キリトォおおおおおおおおお!!!!」」」」



「うおおマジで!?いよっしゃあああああああ!!!!!」

「キリトさん・・・っ!キリトさんに
いろんな服着てもらうんだ・・・!」

「そうよ、そのために今日いろいろ買ってきたのよ・・・
ふふ、ふふふふ・・・」

「お兄ちゃん、私がここに居るとも知らないで・・・ククク・・・」

「キリト君キリト君キリト君キリト君キリト君ハァハァハァ」




「・・・警察は何番だったか」




自分の店に集まる客を顔を引くつかせながら見る
大男が、冗談とも思えない声音でつぶやいた。


「事情聴取なら付き合うわ」


他とは違い、大声や変質者のようなことも言わないメガネの少女は、
周りの騒音ともいうべき会話を無視して
優雅にコーヒーをすすっている。

「まったく、キリトキリトって・・・アイツ、
アイドルかなんかの素質でもあるんじゃないの?」

とまで言う始末である。

「シノンさん、ここは騒ぐべきところですよ!?
あ、ちなみにお兄ちゃんはアイドルですよ、
決まってるじゃないですか(キリッ」

直葉がしっかりシノンの言葉に反応しつつ、
まわりとともに雄たけびを上げている。

「なんなのこのテンション・・・
あとなんかさっきから「キリト君」としか言わない
変態がいるんだけど。鼻血吹き出しそうなんだけど怖いんだけど!」

とうとう椅子ごと引いてしまったシノンである。

「シノのん、私は変態じゃないよ、世の中で言う「紳士」なんだよ」

「警察を!一刻も早く!!」

「もー、シノンだって嬉しいくせにー
こういうときぐらいはしゃいでもいいんだよー?」

リズベットにそういわれると、う、と内心でなってしまうが、
ここで流されたらだめだ。

作者にキャラ崩壊されてしまうフラグを
自ら立てるわけにはいかない!

カッと目を見開くと、
シノンは持ち前の「嫌なことは後回し(奥にしまう)」という特技をつかい、
声を上げる。

「ちょっと皆落ち着いて。
今日私たちがここに集まったのは、
皆が騒いでるキリトを“どうするか”って話をするためでしょ?」

みんながハッとする。

シノンは、フラグはへし折ったぜドヤァといわんばかりの顔をした。

「キリトはこのパーティの存在を知らない、
つまりドッキリパーティなのよ。
キリトに楽しんでもらうために、私たちはなにをしたらいいと思う?」

そう皆に問うと、うむむ・・・と皆は首をひねった。


「そうだわ!」


しばらく無言だったアスナが、ぱん、と手を叩いた。


「ユイちゃんにも意見を聞いてみたらどうかな?
私たちだけの意見じゃ固まっちゃいそうだし。
それに、ALOでやるからには、ユイちゃんだって
パーティに参加するんだもん!」


おおお、とみんなが驚いた。

確かに、AIの知能やいろいろな情報を集めることができるユイであれば、
キリトを楽しませる案をいくつか見つけてくれそうだ。

そんな事を思っていると、クラインが声をあげた。

「そんならよ、俺たちは一回家に戻ってALOにログインしたほうがいいんじゃねぇか?
そっちのほうが効率いいだろうしよ」

「そうね、そうしたほうがよさそうだわ」

私も意見に賛同すると、他の皆も頷いた。

「よし、じゃ、決まりだな。
今日の7時からALOで作戦会議だ」

エギルがそう締めくくったことで、
この場はお開きとなったのであった。

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