湿った俺の肌が、同じくらい湿ったFirstnameの肌に吸い付く。
「Firstname…」
「ぁ…っ」
バックに耐えきれず倒れたFirstname。
その背中にぴったりと重なり、腕の中に閉じ込める。
Firstnameの中をゆっくりと出入りする。
(気持ちいい…)
腰を揺らしながら瞼を下ろす。
俺を包むFirstnameの柔らかさ、温かさ。
間近から届くまろやかな声。
こうやって目を閉じて肌も粘膜も隙間なく密着すると、Firstnameと完全に一つになれている気がする。
なのにもっともっとと、俺の奥深くにあるものがFirstnameを欲しがって。
満たされているはずなのにいつまでも足りなくて。
Firstnameと出逢ってからの俺は、矛盾ばかりだ。
汗でしっとりと濡れたFirstnameの髪をかき分け、露わになった耳に唇を寄せる。
「好きだよ、Firstname」
重なった体が震え、湿った肌が粟立つのを密着した自分の肌で感じる。
シーツを掴む手に自分のそれを重ねる。
縫い留めるように強く握って、自身をぐっと奥に押し込む。
「…ぁあっ」
深いところで俺を感じてほしくて、限界まで押し込む。
「つがっ…ぁ、ん、津軽さ…っ」
濡れた音を立てて擦れ合い、生まれた熱が全身に広がっていく。
Firstnameの嬌声に酔いながら、Firstnameのことだけを考える。
好きで好きでたまらなくて、叶うならずっとこうしていたいとさえ思う。
「も、もうっ…」
「イく?」
コクコクと頷くFirstname。
その後頭部に口付けてから自身を抜き、Firstnameを仰向けにする。
蕩けきった表情に下半身を疼かせながらキスをする。
溢れる唾液をそのままに、何度も何度も角度を変えてキスをする。
必死に応えるFirstnameが愛しくて愛しくて、どれだけ口付けてもやっぱり足りない。
力の抜けた太ももを抱えて自身を当てがう。
「一緒にイこう」
Firstnameは俺の目を見て頷いた。
矛盾しながらだって、俺はいつだってFirstnameと同じところにいたい。
「あ、ぁ、津軽さん…っ!」
再び交わる二つの身体。
一つの熱で溶け合いながら昇りつめていく。
冷めたらまた離れなくてはいけないから、本当はまだここにいたい。
けどこの熱は俺たちの間にしか生まれないから、二人で呑み込まれたい。
いくつもの矛盾を絡ませながら、俺はFirstnameと一緒に絶頂へ駆け上がった。