駄ン文ロンパ123
2015/08/12 06:00

【傍若無人! 左右田様9】


――深夜のロケットパンチマーケット――




九頭龍「……」こそこそ

九頭龍「……」きょろきょろ

九頭龍「……」がさごそ

左右田「何してんだ?」ぬっ

九頭龍「うわああああああああああああああああっ!?」びっくーんっ

左右田「 」

九頭龍「なっ、おまっ、どっどどどっから湧きやがった!?」ばっくんばっくん

左右田「 」

九頭龍「……おい?」

左右田「……はっ……いきなり大声出されたから吃驚して意識飛んでた」

九頭龍「え……わ、悪ぃ……大丈夫か?」

左右田「おう」

九頭龍「そ、そうか……」

左右田「……」

九頭龍「……」

左右田「何してたんだ?」

九頭龍「え!? あ、いや、その……べ、別に何でも良いだろうがゴルァッ!」

左右田「……」

九頭龍「……」

左右田「何探してたんだ?」

九頭龍「は!? ちょ、は!? なっ、ななな何にも探してねぇし! 何言ってんだよテメェ!」

左右田「……」

九頭龍「……」

左右田「俺はコーラと夜食を拝借しに来たぜ」

九頭龍「あ、そうかよ……じゃあさっさと要るもん持って帰れや……」

左右田「……」

九頭龍「……な、何だよ……」

左右田「お前は帰らないのか?」

九頭龍「お、俺が何処に居ようと俺の勝手だろうがぁっ!」

左右田「……」

九頭龍「はぁ……はぁ……」

左右田「疲れてるみたいだな、帰って寝ろよ」

九頭龍「疲れたのはテメェの所為だろうがゴルァッ!」

左右田「怒り易いのはカルシウム不足らしいから牛乳飲めよ」

九頭龍「牛乳飲めねぇの知ってんだろ!? テメェ鬼か!?」

左右田「牛乳には入眠効果もあって、寝る数時間前に飲めば良い」

九頭龍「だから飲めねぇっつってんだろ!?」

左右田「――というのはプラシーボ効果だから、白湯かハーブティーでも飲んで寝ろよ」

九頭龍「牛乳じゃなくて良いのかよ! 役立つ豆知識有り難うなぁゴルァッ!」

左右田「……」

九頭龍「はぁ……はぁ……」

左右田「疲労には甘味が一番だよな。例えばそう――花林糖とかさぁ」

九頭龍「ふぁっ!?」びっくーんっ

左右田「……」

九頭龍「あ、え、おま、お前……まさか……」どきどき

左右田「……」がさごそ

九頭龍「なっ!? てめっ、花林糖そんなに持ってどうする気だ!?」

左右田「夜食」ごっそり

九頭龍「はぁ!? ぜ、全部テメェで食う気か!?」

左右田「メカニックさんは学級目標の作製で疲労困憊なんだよ」

九頭龍「で、でもよぉ……そんなに花林糖ばっか食うのは身体に悪ぃだろうが……」

左右田「……」

九頭龍「そ、それにほら……花林糖ばっかじゃ飽きるだろ……? コーラにも合わねぇし、クッキーとかポテトチップスの方が良いんじゃねぇか……?」

左右田「……」

九頭龍「つうかコーラだけも充分な糖分補給になるんだしよぉ……普通にサンドイッチとか食えば良いんじゃねぇか? 栄養的に野菜挟まったやつとかさぁ……」

左右田「……」

九頭龍「なーんて……」

左右田「……」

九頭龍「……」

左右田「素直に花林糖食べたいって言えば良いのに」

九頭龍「ああぁっ!? 花林糖なんざ食いたくねぇよ! 俺はただ、テメェの身体を心配してやっただけだゴルァッ!」

左右田「そんなキャラじゃないだろお前」

九頭龍「はぁああああああああっ!? 九頭龍さんは改心したらツンデレになるんですぅううううううううっ! 他人の心配くらいするんですぅううううううううっ!」

左右田「頭大丈夫か?」

九頭龍「大丈夫だゴルァッ! だからさっさと花林糖寄越せやゴルァッ!」

左右田「ほう」

九頭龍「あ」

左右田「花林糖」

九頭龍「うっ……」

左右田「欲しいんだな」

九頭龍「ぐっ……」

左右田「花林糖」

九頭龍「……あぁそうだよ! 花林糖が欲しいんだよ! 好きなんだよ! 悪ぃかゴルァアアアアアアアアアッ!」

左右田「……」

九頭龍「ぜぇ……ぜぇ……」

左右田「……悪くねぇよ」

九頭龍「……あ?」

左右田「悪くねぇよ。好きなもんを好きって言って何が悪ぃんだ? 本当に好きなら堂々と好きって言えば良いじゃねぇか」

九頭龍「……でもよぉ、花林糖が好きなんてそんな」

左右田「自分のキャラじゃないから? 甘いものが好きなんて極道のイメージじゃないから? それがどうした。馬鹿にして笑ってくる奴なんて、生きたまま指先から少しずつバラバラに解体して山の中に捨てて野犬の餌にしちまえば良いじゃねぇか」

九頭龍「極道の俺が言うのもアレだけどよぉ、流石にそれは遣り過ぎだと思うぞ……」

左右田「極道なら尚更堂々と好きなもの公言しろよ。体面がそんなに大事か? 極道のイメージがそんなに大切か? 格好付ける為に好きなもん隠してる方が、すっげぇ格好悪いと思うぜ」

九頭龍「……」

左右田「……」

九頭龍「……極道相手に言ってくれるじゃねぇか、メカニックさんよぉ……」

左右田「正直に生きたい年頃なので」

九頭龍「けっ……」

左右田「……」

九頭龍「……ありがとよ、何か目ぇ醒めたわ」

左右田「お前今まで寝てたのか」

九頭龍「ちっげーよバーカ! 吹っ切れたって言ってんだよ、この馬鹿! せっかく礼言って……!」

左右田「……」

九頭龍「っ……」

左右田「……」

九頭龍「……はぁー……もう良いわ……お前相手に切れても疲れるだけだしな……」

左右田「疲れてるなら花林糖食って寝ろよ」

九頭龍「うっせぇバーカ……おらっ、花林糖さっさと寄越せ馬鹿」

左右田「馬鹿じゃない、左右田だ」すっ

九頭龍「けっ……じゃあな、左右田」

左右田「ん。また朝な」手ふりふり

九頭龍「……おう」手ふりふり

左右田「……」

左右田「……」

左右田「そういえば西園寺ってグミ好きだったよな」

左右田「……」

左右田「全部持って帰るか」がさごそ




 次の日、西園寺は泣いた。



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