久しぶりに遊んだ友だちと盛り上がって、プリクラを撮ろうという話になって、ゲームセンターに寄った。高校の頃以来だねなんて笑い合って、出来上がったそれを見ながら出口に向かって歩く。
 建物の入口近くには人気のアーケードゲームが置いてあるけれど、今日は太鼓のゲームの辺りが特に混んでいた。もはや人だかりになってしまっていて、土曜日だからかな、なんて思いながらちらっと覗く。どうやらゲームの待ち列ではないらしい。
「あれ絶対八乙女楽でしょ」
「隣は天くんだよね」
「すご、Heavenly Visitorのおにだって……」
「普通にうめえ」
 周囲の人たちの会話が聞こえてきて、つられてその中心を見る。人だかりから突き出た銀髪、隣には薄いピンク色の髪色が見えた。帽子を頭に軽く乗せているけど、どう見てもTRIGGERのお二方だ。高速で流れてくる音符を処理するバチさばきが華麗だった。この人たち、こんな所で何やってるんだろう。
「やっぱTRIGGERがいちばん息ぴったりだよな。写真撮って、千さんに送ってやろう」
「あんな風に煽られちゃあね。本当は龍も一緒にやれたらよかったんだけど」
「今度のオフに三人でどっかでやろうぜ。二人ずつ交代で」
「いいね。息ぴったり度で対決しよう。たぶんボクと龍が勝つけど」
「いや、俺と龍だろ」
 ムッとして睨み合う二人が帰ろうとして振り返り、自分たちの周りに人が集まっていたことに気がついて目を丸くした。かと思えばふっと笑って、私たちに向かって「今の、内緒ね」「俺たちだけの秘密な。SNSとかに書かないでくれな」と言う。バイバイ、と手を振りながら歩き出すものだから、思わず道を開けてしまった。
 二人が去ったあとのゲームの画面には、二人のプレイ結果が映し出されている。ゲームクリアのゲージは満タンで、息ぴったり度のところには九十八パーセントの表示。めちゃめちゃ息ぴったりじゃん、なんて、周りの人たちと同じ感想を抱いた。

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