ビビッドブルー | ナノ




学校でやったIQテストの結果が返ってきた。隣の席の御幸とお互い見せ合うと御幸が心底驚いたような顔をした。

「お前運痴で頭悪くて絵も下手って救い様がねーと思ってたんだけど何? バカの癖になんでこんなIQ高けーの?」
「ちょっと誰がウンチよ、クソ扱いしないで」
「クソは間違ってねーけど女の子がそういうこと言うなよ」
「倉持〜〜御幸が急に私を女の子扱いしてやらしー目で見てくる〜」
「見てねーわ! つーかそうじゃなくて、これ。IQテストの結果」

御幸がトントンと机に乗った紙を叩いたので視線をそちらに向けて話も戻す。

「IQテストの結果が何よ」
「だから何でこんな高けーの?」

意味が分からないとでも言いたげな顔をする御幸。こいつ私のこと馬鹿にしすぎじゃね?

「なんでだろう、昔からよく閃く方だとは言われてた」
「お前全然良いとこねーと思ってたけど良かったな、唯一の取り柄が出来て」
「失礼すぎる! 私だって取り柄の一つや二つぐらいあるわ!」
「例えば?」
「明るいとこでしょ、かわいいところでしょ、……あとかわいいところ」

指折り数えて三つもあった。かわいいところは性格がかわいいところと顔がかわいいところなので重複している訳ではない。今隣にいる御幸なんかは顔がいいとこと背が高いとこしか取り柄が無いので私の方が勝っている。

「言っとくけどお前は別にそんなにかわいくない」

と思っていたら御幸に真面目な顔でそう言われた。やめてよ、そんな顔で言われたらまるでそれが本当のことみたいじゃないか。

「性格も顔も別にそんなにかわいい訳じゃない」

私の思考を読んだのか私が言葉を発する前に先手を打たれた。

「カーッ! うるさい! 結城キャップとかはかわいいって言ってくれる!」
「そのカーッ!って言い方がオヤジみたいだし哲さんのそれはあれだろ、マスコット的な……」
「え? 青道のマスコット?」
「そこまで言ってねーわ」



×