赤が掛かった夕焼け空はどことなく頼りなかった。
木と木の間から、銀魂高校が少し見える。
当たり前か、学校の近くの公園なんだから。
辺りも夕焼け色に染まる中、私と総悟はブランコに座っていた。
いつもなら、他愛のない話に花を咲かせている筈なのに、珍しく今日は何も話せなかった。
「どーしたんでィ、浮かない顔して」
『総悟、どうしよう…』
「…は?」
私のトーンの下がった声を聞いて心配になったのか、彼は律儀に乗っていたブランコを降りて隣の私の前にしゃがみ込んで目線を合わせてくれた。
『不安なの…どうしようも無いんだけどね』
「何がでィ」
何が、と言われて少し戸惑った。
良く分からないのだから、私でさえも。どうやって伝えたら良いかなんて勿論、分からない。
『たとえば、さ…。今、凄く楽しくて、きっと人生の中で一番充実してる様な気がするの。
総悟がいて、土方くんとか近藤君とか3zのみんなと一緒に居られることが凄く楽しくて、嬉しいの。…それが無くなった時、どうしよう…って』
何を言ってるのか自分でも分からない。
けど、総悟は黙って聞いていてくれた。
『何言ってるのか分かんないね。でも、いつかはみんな居なくなっちゃう…。その時、私はどうしてるんだろうって…凄く、不安になる…』
今が幸せなほど、比例するように。
この時が過ぎた後、どうなっちゃうんだろう…って。
コツンと総悟が私の額に触れた。
「馬鹿のくせに難しい事ばっか考えてんじゃねーやい」
『うぅ…、でもっ…』
「俺の隣はお前、お前の隣は俺」
『へ…?』
見ると、総悟は優しく笑っていた。
私の髪に手をのばしながら言葉を続ける。
「3zの連中は知らねェよ。でも生憎だが俺ァ、お前と離れる気も離す気もないんでねィ」
ぎゅっ、っと私を包む温もりと鼻を掠める総悟の匂い。
それだけで、私は幸せを感じる。
あぁ、私は幸せだ。
『総悟…』
「何年経ってもそれだけは変わらねェ。…だから、安心しなせェ」
『うん…、ありがと…』
君とどこまでゆきましょう
(そんなの決まってます。世界の終わりまでです)
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