「お前…もっと勉強しろよ」
『えー、だってめんどいじゃん』
「めんどい、じゃねーだろーが。こんな点数じゃ、進学できねーぞ」
『あはははは!』
「笑ってる場合じゃねーぞ、マジで。お前、保育士になりたいとか言ってなかったっけ?」
『んー…なんかもう良いかな、って』
そう言ってニコニコ笑ってたら、銀ちゃんは頭を抱えて盛大な溜息を吐いた。
…だってさ、いくら勉強したって成績が上がんないんだもん。
そしたら何かもう、どうでもいいやーって。
やったってやんなくたって変わらないな、って。
『てか、銀ちゃんってそんなに熱血だっけ?』
銀ちゃんは何も答えない。
呆れたのか、怒ったのかは分かんないけど。
無言の空気につつまれている教室がやけに広く感じた。
「後悔して欲しくねぇんだよ」
『え…?』
ポツリと呟いた銀ちゃんは凄く真面目な顔だった。
「俺はお前が4月の進路調査の時、自分の夢を俺に語ってくれて嬉しかったよ。Z組にもまともな奴だいたんだなーって思ったよ」
『……』
「諦めんな。努力し続ければ、絶対叶うから。…お前なら出来るから」
“子供って可愛いじゃん??その可愛い子達に先生って呼ばれたいな!”
自分でも良く分からないけど涙が出た。
あぁ、そっか。私“諦めんな”って言われたかったんだ。
モヤモヤしてたのは心の何処かで夢を捨てないで、って言っていた自分がいたから。
保育士になりたい自分がいたから。
『先生、ありがと』
「…おう」
今はまだ叶うか分からないけど、諦めないことにするよ。
夢は諦めなければ叶うなんてのは嘘っぱちで。
夢に向かって諦めないで努力し続けないといけないんだ。
だからこそ、私は努力し続けようと思う。
自分自身でやらない限り何も変わらないから。
例え結果が出なくても、とりあえず今は自分を信じてみようと思う。
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ある友達に宛てて書きました。
マジで諦めんなよ!!
081021 のん