『田島くん』
「なにー?」

(かわいい)

『このプリント、今日までなんだけどさ』
「げっ」
『その反応は…もしかして終わってない?』
「苗字!!助けてくんねぇ?」

(かわいいかわいい)

『もう、仕方ないなぁ』
「サンキュー!!」
『じゃあまずここからね』
「うーん…」

(かわいいかわいいかわいい)

「うー、わっかんねぇ…」
『えっとね、此処はこうしてそして…』
「うん、うん…あー!成る程!」
『今ので分かったかな?』
「すっげー分かった!流石苗字だな!!」

(かわいいすぎるっ…!)


「…なぁ」
『なに?』
「その…さ、苗字は俺のことどう思ってる?」
『田島くん?田島くんはね、かわいい!』
「…かわいい、か」
『?どうしたの?』
「苗字にとって、かわいい男は恋愛対象外?」
『へっ?』
「俺は、苗字が好き」

(あ、れ?)

「苗字の中の俺はかっこいいにはなれねぇ?」
『やっ、その、』
「俺のこと、好きになれねぇ?」
『えっと…』

(どうしよう。かわいい、よりもすごくすごく、)

『今、気付いたんだけど』
「何を?」
『田島くんはさ、かっこいいよ』
「えっ、マジで?」
『そして可愛い田島くんも格好いい田島くんも、その…どっちも好き、だよ?』
「それはどういう意味の好き?」
『それは、恋愛感情の好き、です』
「へへっ、俺も名前が好きだ!」
『うん、私も…悠一郎が好き』

(かわいいけどかっこいい、私が好きなのはあなただけ)




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可愛い田島くん欲しいです

りく

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