国語の小テスト→考え事してた→ボロボロ→返ってきた→ダブルアヒル→22→22点。

理解して頂けただろうか。(ばーか)(何か声が聞こえたぞ)

…やってしまった。最近、授業中も考え事とかしてて上の空だったからね。嫌なこと考えちゃった時は、羊が一ぴーき、羊が二ひーきって誤魔化してたからね。
その罰として、只今放課後の教室で補習中。


部活のかけ声やら歌い声を聞きながら、銀八先生とお勉強中。…ハァ。
と言っても私は延々とプリントを解くだけ。先生は延々とジャンプを読むだけ。こんにゃろーと思ったが、小テストでダブルアヒルをゲッツしてしまった自分が悪いのだ。

チラリと先生の方を見ると、やっぱりジャンプに熱中しているので、窓に向かって勢いよく紙飛行機を飛ばす。ちらっと赤い×印が見えた。
紙飛行機の原料は何か、なんて言わなくても分かるだろう。


考え事、というのはもちろん総悟のこと。
考え出したら止まらない訳で。モヤモヤしか残らないから止めようって思うんだけど、止まらない。当たり前のことだけど、なかなか上手く行かないものだなぁ。


『はぁぁぁー…』

補習プリントも残すところあと一枚となった。それと共に零れたのは盛大な溜息。
ジャンプに熱中していた銀八先生がこちらを見る。
途轍もなく大きな溜息に、さすがに反応しない訳にはいかなかったらしい。


「ちょ、ゆずちゃーん。はぁぁぁー、じゃないからねェ!?」
『はぁぁぁー、じゃ無いです。はぁぁぁー…です。』
「…どっちでも良くね?」
『駄目なんです』
「…ったく、こんな点数とるなんてどーしたのよ。ゆずちゃんって3zの中では優等生でしょーが。糖分足んないなら、何かやろうか?」
『血糖値だけ上がってもどうしようもないと思います』


銀八先生の糖分に対する熱弁が始まったが、あえてスルーすることにする。
その熱意を少しは教育に傾けられないのだろうか?


『先生ぇー』
「あー?何だよ、今糖分を語ってんだけど」
『…上手く行かない時は、どーしたら良いんですかぁー?』
「…」


一瞬、銀八の顔が真面目になった。
きっと生徒の相談に真面目に考えてくれるに違いない。たまには良い奴だな。



「やっぱ糖分じゃね?」
『先生みたいな大人にならないように気をつけまーす」


前言撤回。やっぱろくでもない大人だ。
自分の荷物をまとめて、席を立つ。


「ゆずちゃん、何処行くんだよ」
『帰ります。プリント終わったんで』


解き終わったプリントをヒラヒラさせながら、先生に渡す。
あーあ、今日は神楽ちゃん達と遊びながら帰る予定だったのに。この時間に外に出たら、総悟達と鉢合わせしちゃうかもしれないし。少し恨めしそうに先生を見た。


「…何つーか、アレだよ」
『はい?』
「結局、自分次第って奴だろ。好きでも良いんじゃねーの?」
『…』


小説とかで良く出てきそうなセリフだけど、重みがあった。
そうか、そうなのだ。結局、自分次第。行動しようと諦めようと私が決めることだ。

だったらウジウジ悩んでるより、笑ってる方が全然良い。辛いことばっかりだけど、片思いってそんなものじゃない?
何で銀八先生が、恋の悩みだって知ってるかは分かんないけど。



答えはとっくに出てる。
私は総悟が好き。

それはすごく明確で簡単なことだった。



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