後戻りはできません !性的表現あり/麦わらクルー戦闘員



後悔している。ルフィにセックスを教えたことを。


「────っお゙、んん……ッ!ぉぐ……!?っふ、ぐぅ……!」
「はッ、……っ、はッ……、ふ、っナナシ……!」

ぐちゅん、ぐちゅんと、みっちり嵌まった陰茎が濡れそぼった後孔を出入りする音が洞穴内にこだまする。肌に触れる岩はひんやりと冷たいのに、俺もルフィも汗が吹き出すのが止まらずにいた。出口へ向け腕をのばす格好で地面に伏せっている哀れな男の腰骨をがっちり捕らえ、ルフィは熱に浮かされた様に、一心に腰を振りつづける。

「ん、く……っ」

中の熱源が膨張したのが分かり、ふるると背筋を震わせた。制止することを諦め、叫ぶことにも疲れ果て、一切の抵抗も逃亡の算段も頭から抜け落ちていってなお、年下の恋人は行為をやめてくれない。やめられない。頭が肉でいっぱいの時の様に、取り憑かれた様に夢中になっていた。

「あっ、出るっ、ナナシ……ッ!」
「ぅ゙、ん゙ふ……っ」

──もう、一体これで、何度目か。
すでに許容量を越えているにも関わらず奔流がそそぎ込まれ、意識したことのない腹の奥底まで温度を感じ取る。その感覚に慣れる間もなく、また体が揺さぶられはじめた。



────恋人になって“そういうこと”をしたくなるのは自然の流れだろうと思う。

キスの仕方からもルフィが未経験だということは察せられて、本格的に楽しめるまでには時間が掛かるだろうなと覚悟した。しかし驚いたことに、我らが船長は性知識が乏しいどころか、マスターベーションすらしたことがなかったという事実が発覚。目眩がした。道のりは果てしなく遠いのだと理解したからだ。ルフィの年齢であれば、しかも体力も気力も有り余っている彼ならばそれこそ猿の様に千摺りしているものと思っていたのに──。気を取り直して、根気強く育てていこうと決めた瞬間だった。

はじめは皮を剥いて洗浄の仕方を教えてやった。垢の溜まりやすいそこは、いままで外皮に守られてきたからこそまだ皮膚の層が薄く、外部からの刺激に弱い。自分もヒリヒリして泣きそうになっていたことを思い出し、日数をかけ、お湯だけを使って洗いゆっくりと剥いてやった。
次に直接握って抜き方を教えた。口で説明するより実践した方が早いという判断は正しく、一回教えればすぐにルフィは自分ですることを覚えた。日中、「チンチンがむずむずする」と平気で口走ったルフィの頭を殴るなどして、デリカシーというものも叩き込む。
それから一緒に扱き合うようになった。というより、快楽に弱いらしいルフィはすぐに我を忘れ手が止まってしまうので、主に俺が二人のを合わせて手の内で擦った。

そして島に上陸する日──。その日、セックスをしようと、事前に誘った。


誘いにOKをもらった際、上と下どちらがいいか?とルフィに尋ねると、

「どっちの方が気持ちいいんだ?」

そんな質問が返ってきた。この質問で俺の頭にはずるい考えが浮かぶ。本音は抱く側がよかった為、『好奇心旺盛なルフィならきっと気持ちいいと答えた方を選ぶ』と思い、こう答えたのだ。

「抱かれる方が、ものすごい快感に浸れるはずだぞ(目覚めれば)」
「じゃ、ナナシが抱かれる方な」
「………………あ?」

即答された返事に、まぬけな声を発してしまった。なにかおかしいこと言ったか?という表情をするルフィに理由を聞いてみれば、

「だって、そっちの方が楽しめるんだろ?だったらナナシにそうなってもらいてェんだ。おれがナナシを気持ちよくする」

ニッカリと眩しい笑顔を見せるルフィに、かあっと顔が火照りだす。嬉しかったからか、それとも恥ずかしかったからか。ともかく改めて自分はこの男に惚れているんだと確信したのち、了承の意を告げたのだった。



そのまま和やかな甘い話にできればよかったんだが……。



挿入に至るまでは、ルフィも俺の言うことをしっかり聞いて、前戯のひとつひとつを拙いながらも丁寧にやってくれていた。豹変したのは互いに一度イったあとからか。向き合う体勢で一呼吸つき、ルフィの下から這い出ようとしたとき、がしりと腕をつかまれた。

「、ルフィ……?」

一度射精するだけでも体力を消耗する。船上では周囲を気にしてできないこの機会を一回で終わらせるつもりなどさらさらなかったが、休憩を取りたくて一旦離れようとしたのだ。なのに、

「ナナシ……おれ……」

俯いているルフィの表情は窺えない。代わりに腕をつかんできた手に力が込められ、眉を顰めた。何だ──、と問う前に、抜かずにルフィの腰が揺らめきだす。慌てて止めようとしたが、此方の腰がひき寄せられ背をふたたび地面に沈められて。ルフィの顔をようやく見れたとき、身が硬直した。

ゆるみの削がれた真剣なカオ。
焦点の合わない眼差し。

はじめて体験する衝撃に頭の回路がショートし、外界が遮断されてしまったのかもしれない──ルフィは俺の制止にも耳を貸さず、勝手に再開してしまった。あまりにも聞かないので顔面を殴ったりもしたが、もちろんゴム人間には効かない。這ってでも逃げようとすればゴムの腕でぐるぐる巻きに拘束され固い地面に押さえつけられた。

「ナナシ、なあ、これ、」
「まっ、ん゙、ン゙ん、」
「止まらねェっ、ちんちん、」
「はあ……っ!は、あ」
「溶けちまいそう、」
「ふぐッ──!?ぁ、ぐっ」

一回目の精子を潤滑剤に、貪る様に穿たれる。
もし仮に。仮にだ。ルフィの『性欲』がこれまで『食欲』に取って代わられていたとしたら、本来の性に目覚めたときどうなるか──……?

無人島で。夕方までの自由時間。適当な洞窟にしけこんで、上着を地面に敷いておっ始めて。昼メシの時間もとっくに過ぎたはずなのに、ルフィはまったく止める気配もなく熱を打ちつづけていた。なによりも食べることが優先の、あの大食漢ルフィが、だ。

「ル、ひ……も、やえ゙、お゙なかっ、やぶれ……──ア!?!また、くる、く、る、ひ……〜〜〜ッゔ、あ……」

体が反射的に逃げの姿勢になってしまう。岩に爪を立てるようにして前進しようとしたとき、ぎゅうと、胸部に圧迫感がおとずれた。抱擁というより追い縋るようなその感触に、ふとルフィの顔を見下ろす。俺の脇腹にあごを埋めながら、ルフィは切羽詰まった苦しげな表情で見つめてきていた。

「ハァ……ッ、は……ッ、ナナシ、なァ、おれ……、おれ、どうすりゃいい……?」
「……っ、……」

────そんな顔をしないでくれ、船長。
恨めしさや怖れが急激にしぼんでいく。彼を、ルフィを、俺のペースで性急にここまでのぼらせてしまったことを実感してしまった。もっとゆるやかに、ルフィのことを第一に考えながら段階を踏んでくるべきだったのに。

(──……俺の責任だ)

ルフィの顔をそっと両手で包み込み、努めて穏やかに笑いかけた。

「……我慢しなくていい、ルフィ。全部俺にぶつけろ。お前の気の済むまで……シていいから」


そんな柔な体はしてねェから、と。肚をくくった。







はっと正気にもどったルフィは、空の光がつよくなり影が濃くなったこと。そして──眼下のナナシの様子がおかしいことに気がついた。

「ああ、おれ、ナナシとせっくすしてたんだ……。……おーい、ナナシ〜……?」

ずるりと引き抜けば、こぽりと白い液が流れ出す。岩にゆっくりと広がっていくそれを見て『お漏らしみたいだ』なんて思いながら、ルフィはナナシの頬をぺちぺちと叩いた。
……返事はない。
不思議がりながらぐったりしつづけるナナシの顔を覗きみて、ルフィは目ン玉を飛び出さんばかりにひんむいた。

「やべェ!ナナシが気絶してるーッ!?」


このあと慌ててチョッパーを呼びに船までもどったものの、船医は不在。代わりに船番をしていたロビンが付いてくることになった。
そして、まるで強姦でもされたみたいにでろでろになっているナナシが目撃されることとなる。

「あら……此処にチョッパーを呼んじゃダメね」
「じゃあどうすんだよう、ロビン」
「ひとまず体を拭いてあげて、服を着させた方がいいわ。それから船に運んであげて、安静ね」



────後日。
汗だくのナナシがロビンに詰め寄る姿が見られたとか、見られてないとか。


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