気づいたらエースと朝チュン !性的表現あり



昨夜、飲み過ぎた記憶はある。

『ナナシあんまヒゲ生えねーよな』
『近ェ』
『痛て』
『まァ、体毛薄いみたいでなァ』
『チン毛も?』
『ってバカ!なにしてやがる!』
『よいではないか〜よいではないか〜』
『見るならてめーから見せろや!』
『え〜……?デーン!』
『ぎゃっはっは!デデーン!』
『あれ?直毛!?』
『お前モジャモジャ〜!』

ぎゃっはっは。
そんなバカなやりとりをして、パンツを脱いだような覚えまではある。

────狭いベッドにすっぽんぽんの男が二人、くっついて眠っていたなら、セーフ?アウト?
朝を感じてぼんやり起きたら、目の前には壁。背後に体温(エース)。下を見れば一糸纏わぬ生まれたままの姿、ふとんすら被っていないので現状がよく見えた。背中合わせで眠っていたならともかく、まだ起きていないエースは俺の腰に手を置き、まるで恋人の様にひっついている状態。二日酔いとはちがう頭痛に頭を抱えたくなったのは言うまでもなかった。

「(ヤっちまった?ヤってない?いやいやヤってないだろ、大丈夫、大丈夫……。先に服着てればうやむやにできるな……)」

真実の追求などいらない、日々の平穏こそ肝要。エースの腕をそっと浮かせつつ、体を徐々に離していこうとからだ全体をくねらせた。ら。
────くち。
下半身の方から聞こえてきた、水っぽい不吉な音。そういえば、尻になにか違和感があるような?……嘘だろ?これ、たぶん、入りっぱなし……………………。


(モロアウト−−−−−−−−!)


しかも俺が掘られた方かー!内心嘆いていたら、「んっ」エースの起きる気配がしてしまった。やばい、どうしよう。眠気など吹き飛んでパニくっていたところで、どかそうと思っていたエースの腕がさらにぎゅっときつく巻かれ、腰を引き寄せられていく。(ぁっ、)繋がったままのそこに摩擦が起きて、不快な様なもどかしい様な、内側からおとずれた感覚に眉を顰める。肩ごしに発せられる、エースの寝ぼけた声。

「ナナシ……?はよ……なんかおれ、すげー良い夢見てた気がした……」
「だったらもうちょっと寝とけ、な?」

そのあいだに身支度とかぜんぶ済ませとくから!──なんて願いも虚しく、というより話しかけてしまったのがいけなかったのか、エースが「あ……?」とはっきりした声を出し、「うおお!?」バッと腕を離していった。

「なっ、えっ、おれ、ナナシ、抱きしめ──────え……?」

あーあー、どうやら下半身にも気づいてしまった様だ。もういい。生憎俺は壁との間に挟まれていて動きづらいのだ、エースにどいてもらった方が早い。

「お互い覚えてねェなんて、バカやっちまったな〜……。ひとまずエース、抜いてどいてくれ──────」


ぎゅ。


……………………なんで体勢、逆戻り?

「夢だけど、夢じゃなかった……」

あたたた!力がつよい、腹が苦しい!エース、君はまだ寝ぼけているな?でなきゃおかしいぞこの距離感。仲間のものじゃあない。

「エース、何してんだよ」
「なァ…………好きなんだけど」
「……は?」
「お前のこと。……好きなんだけど」

「「………………」」

高い体温が全身を包みこんでくる。素肌と素肌なので、変化が具にわかってしまう。言葉が真実であると告げ知らせてくる。
からだが空っぽになって軽くなったみたいだった。これは恐らく、俺はものすごい衝撃を受けている。そりゃあ、だって……エースが?俺を?いや確かに比較的よく一緒にいたしバカやってたけど……。ただでさえ色気より食い気なエースが?俺を、恋って意味で?いや、うん。どうなんだ俺は?エースとキスしても、まあ、抵抗はなさそうだが……いやいや、思考がおかしい。ていうかじゃあ、このやらかした感じって、エースにとっては“うれしい”の内に入るってこと……なんだろうか。

「あ、今キュッとした」
「しね」

なんにせよこの状況で純情そうに告白っていうのも、どうなんだ?

「うわ!ちょ……おいエースっ」
「ムリ。朝から刺激つよすぎ」

うつ伏せに転がされ覆い被さられてしまった。そういえば心なしか、尻に入っているものが寝起きのときよりおおきくなっている。うわ、急に恥ずかしい。こいつ俺で勃つんだって思うと、なんか……。

「なァ、返事あとでいいから…………一発ヤらせて」
「お前最低だなオイ!!」


このあと結局OK≠出すことにはなったが、しばらくの間セックスは禁止した。腹くだしたし。



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