小さい頃のお嬢ですか? それはそれはお可愛らしかったですよ。 女の子ということで、皆目の中に入れても痛くないというぐらいに寵愛していました。 あの木魚達磨様も、一ツ目入道様もとろける様な笑顔で抱き上げておられました。 リクオ様がお生まれになって、一度大泣きされたこともありましたが、皆で慰め、それからは姉としてしっかりされて…リクオ様の面倒を見るよう私達に指示を出し、お優しい性格ですからあらゆる生き物を連れて来てはリクオ様の遊び相手として貸し与え、有名女子高等学校に進学されてからは毎日のように男性を引き連れ堂々たる女妖怪の鏡としておつとめされています。 大変お美しい方ですから、身につけるものもこだわりがあるようで、毎日違うカバンで登校されています。 流石はリョウ様です! 美を追求される姿勢もご立派です! よく通り過ぎる時に良い残り香がして、本家妖怪の間ではその香りの道を通ると幸せになれるというジンクスまであって…とにかく、お美しい方なのです。 私も肌の白さには自信がありますが、お嬢のきめ細やかで光り輝くお肌には負けちゃいます。 うふふ、でもよく「氷麗の手は冷たくて気持ち良い」って褒めてくれるし、そもそもお嬢に張り合おうとするお馬鹿じゃないですよ、私は。 [*前] | [次#] |