イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 馴染みの客

「ミーヤ、待たせたな。」

クロロが戻ってきて肩を抱き寄せると
やっとイルミから開放される

「まだゆっくりしとけば?」

その言葉にイルミを睨みつけ
クロロを引っ張り人混みに紛れた

パーティーもお開きになり皆それぞれ帰っていく

「どうだった?欲しいものあった?」

「そうだな。数点気になる物があったな。」

「よかったね。」

美術品を眺めに行っていた
クロロの目的はわかっているし
本当はクロロの正体もしっている
幻影旅団のリーダーだ
フィンクスがその仲間だったってことには
驚いたが・・・

パーティー会場を出ると迎えの車が
タイミングよく目の前に止まる

「クロロ、またね。」

「あぁ。またな。」

クロロの服を掴み見上げる

「キスして」

クロロは少しかがみ触れるだけの
口付けをしてくれる

「名残惜しくなるから早く行け。」

「ふふ、待ってるね。」

小さく手を振り車に乗り込んだ

「お疲れ様です。」

「うん。」

オーナー以外の従業員とは
基本的に口を聞くなと言われているが
さすがに挨拶くらいはする

脚を組み外を見ているとイルミが見えた気がした
ゾワっとして鳥肌がたった
イルミと深く関わらない方がいいと
本能が警告している

「ねぇ、ちょっと遠まりして帰ってくれる?」

「わかりました。」

◇◇◇◇◇

「イルミ、用か?」

ミーヤを見送り問いかけると
闇からイルミが音もなく現れた

「なんでキスするの?
オレ、お別れのキスしてない。」

「馴染みの客だからな。」

「馴染み?」

「長い付き合いで金をよく落とすVIPな客。」

「ふぅん。」

「ちなみに、オレの仲間の中にもミーヤの客はいる。」

「は?ヒソカ以外も?誰?」

「言うわけないだろ。」

「まぁ、自分で見つける。
ミーヤと遊べるのもいまのうちって
伝えといて。じゃあね。」

イルミが消えてから口から小さく笑いが漏れた

「・・・ミーヤも大変だな。」





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