イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 離したくない

丁度いい温度のお湯は気持ちいい
もしかしたら母親の胎内にいた時も
こんなかんじだったのかなんて
ぼーっとしながら考える

「ミーヤ、気持ちいい?」

頭の後ろから声がする
広いお風呂のはずなのに
イルミは後ろから私を抱えるようにして
浴槽に浸かっている

「ねぇ、お風呂くらい1人で入れる。」

「そうなの?
じゃあ、まだできるよね?
あと何回できる?」

「いや、もう無理。
何回してると思ってんの。」

気を失っている以外ずっと繋がっていた
起きているのがバレたくなくて
寝たフリをしていたがどういう訳か
バレてまた抱いてくる

この男は私と同じように精を
糧にしてるのかと思ったが
こちらかは体力以外なにか奪われてる気はしない

「ねぇ、そういえばお腹いっぱいってなに?」

濡れた私の髪を撫でながらイルミが問いかけてくる

「んー?そんなこといった?」

「うん。」

精を与えられると食べすぎた時のように
お腹が苦しくなるのだ
満腹状態なのだろう
きっと苦しすぎて言ってしまったのだろう
きっとはぐらかしてもしつこいだろう
しかたがなく白状する

「私の体質。
食事しなくても男の精を
貰えてれば生きてられるの。」

「へぇ、誰の精子でもいいの?」

「誰でもいいんだろうけど
やっぱり質が良い方がお腹もいっぱいしになるし
力が湧いてくる感じかな。
綺麗にもなる気がする。
ほんとこの仕事が天職って感じよね。」

「それって念能力?」

「念・・・?
よくわからんないけど
食事しなくていいから
お金もかからないし楽でいいよ。」

「そう、オレのはどう?」

「特上って感じ。
わかるのはなんとなくだけどね。」

「ふぅん」

素っ気ない返事のくせに
後から抱きしめられる
そしてどことなく嬉しそうだった

「イルミは私をどこで見つけたの?
普段出歩かないのに。」

「あぁ、マンションのベランダから
ミーヤが部屋にいるの見えた。
男といたけど。」

「んー。どの人だろ。
きっと、お客さんね。」

「今考えるとそうだね。
もう呼ばれないけど。」

「そうなの・・・?
まぁ、それなら対したお客じゃないかもね。
最近値段上げてもらったから
悪い人には当たらなくなったの。」

「ミーヤの悪い人ってなに?」

「お金の支払い悪い人」

「そ、ならオレは大丈夫だね。」

「えー、ほんとに?」

くすくすと笑い身体をイルミに預けてキスをする

「それ、いいってことだよね。
お風呂ではまだしてないし。」

「え、ちょっとまって・・・!んんっ!」

そのまま主導権を握られて
拒否する間もなく何ラウンド目かを
スタートさせられた

◇◇◇◇◇◇◇◇

「ゴトー、ミーヤについて調べて。
そう。顔写真送った子。
じゃ、またあとで。」

眠っていても綺麗な顔、
ちょっと強気な性格も可愛い

オレの下で鳴いてるのも可愛い

ミーヤの存在が愛おしい

生きていて今まで味わってこなかった感情を
この何時間かで体験して自分でも戸惑いがある

できればこのまま連れ去ってしまいたいが
ヒソカとミーヤを帰すと約束してしまったことが
悔しいが今は仕方がない
ミーヤを手元に置く準備をしなくてはいけない

ミーヤと毎日いることを想像すると
口角が上がってしまっていることに気がつく

「恐ろしい女だね。」

額にキスをして横にもぐりこみ
眠るミーヤを抱きしめた




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