イルミ連載(娼婦タカラバコ | ナノ

 はじまりは

男達はこの身体だけが目的で近づいてくる
そして私もそれをお金と交換で与えてあげる
私はお金だけでなく精液も糧になる
気がつけば持っていた能力

父も母もどこの誰かなんて知らない
最初の記憶は孤児院だからだ

最悪な孤児院だった
思い出したくもないほどに

死に物狂いで逃げて夜の街に逃げ込んだ
結局はこの身体を使ってしか生きていけないのだ

拾ってくれた女性オーナーが
いい人だったことが1番の救いだ

今日も常連客の元へと行く

目の前には高級なホテルがあった
煌びやかな光は私には無縁の世界

このホテルのスィートルームで
指名客が待っている

呼び鈴を鳴らすとすぐに扉が開かれた

開けた人物にぎゅっと抱きついた
恒例の挨拶だ

「ヒソカ!
指名ありがとう。
会えて嬉しい!」


ヒソカは金払いもいいし
チップもくれる
何よりいい質の精液を持っていた

時折、血の匂いがするが
私には関係のない話は聞かないことにしている

「本当にヒソカの知り合いなんだ。」

ヒソカの声じゃないことに気が付き
すぐに顔を上げると見たことがない男がいた

綺麗な黒色の髪の毛
黒目がちの大きな瞳には光がなかった

すぐに離れようとするが
掴まれる方がはやかった
最近は質のいい精を手に入れていて
弱くはないはずなのにこの男の力に勝てない

「ねぇ、君の名前は?」

「ミーヤよ。貴方は誰?ヒソカは?」

「あぁ、ごめんごめん。名乗ってなかったね。
オレはイルミ。ヒソカ、呼んでるよ。」

男の後ろからひょっこりと姿を現したヒソカは
いつもの姿と違って今日は
ピエロのようなメイクを施している

「ミーヤ、ごめんよ◆
彼がどうしても君と会いたいっていうんだ◇」

「ヒソカ、私は3人でのプレイはしてないの。
新規のお客さんも今は受けてないわ。」

「わかってるけど、イルミがしつこくてさ。
オーナーには話を通してあるから
気にしなくてもいいよ◇
ボクは今日は用事があるから出掛けるしね。」

私は気にする!っという叫びを聞きながら
にこやかに扉を閉めたヒソカ



prev|next

back

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -